染色体が正常と診断された胚盤胞を移植しても妊娠されなかった場合には、母体要因があるのではと考えられ、その一つとして子宮内環境があります。

 

当院では、母体要因(着床環境)の検査として、子宮鏡検査、慢性子宮内膜炎検査(CD-138)、自己免疫に関する検査、凝固機能検査、同種免疫検査(リンパ球比率:Th1/Th2)、BMI (body mass index)、ビタミンD、亜鉛、銅検査などを行っていますが、新たにERA(着床の窓)検査、EMMA(子宮内マイクロンバイオーム検査)、ALICE(感染性子宮内膜炎を引き起こす原因菌検査)を行う体制を整えました。

 

慢性子宮内膜炎(CE)は、主に細菌性病原体が子宮内に感染して起こる子宮内膜の持続的な炎症とされ、不妊症の患者では約30%で認められ、反復着床不全および 不育症患者の有病率は60%前後に達すると言われています。

 

こういったことから、近年、子宮内に存在する乳酸桿菌の割合や慢性子宮内膜炎と着床障害・切迫流産などの関連性が注目されています。