Q

温泉の入浴の注意事項に「妊婦は入浴を避ける」ように書いてありました。妊娠初期は温泉に入ると、危険ですか?

 

A.

動物では、体温が2℃以上上昇すると流産、胎児死亡、神経管欠損をきたすことが知られています。

 

ヒトについての論文(Am J Epidemiol 2003; 158: 931、Birth Defects Res A Clin Mol Teratol 2011; 91: 836)では、体温上昇と胎児奇形の関連が報告されていますが、多くは感染に伴う体温上昇です。

妊娠初期に体温+2℃以上=39℃以上のお風呂に入ることが、胎児の発生にとっていけないことなのか、入浴と胎児奇形に関するヒトでのデータはほとんどありません。

 

「妊婦は温泉に入らないように」という注意事項に「科学的根拠」はないように思いますが、「飲酒」や「高血圧」などと同じく気分不良や転倒が起こるリスクがやや高いと考えて「自己責任ですよ」という警告として書かれているように思います。

  • 妊娠初期は気分不良になって転倒することがあります
  • 妊娠初期は普段の体調とはちがいます(つわりなどもあるでしょう)
  • 脱水に注意しましょう
  • 水溶性ビタミンや葉酸が不足しないようにバランスのとれた食事を心掛けましょう
  • 風疹などの感染症対策から大勢ヒトが集まるところは避けたほうがよいでしょう
  • 普段していないことをすることは避けたほうがよいでしょう