卵巣が働くためには、胎生期に造られた卵子が月経までに約6か月かけて胞状卵胞まで発育してくることが前提です。この間の卵子・卵胞の発育については自然任せでコントロールできません。

  1.視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンが下垂体を刺激します

  2.下垂体からの性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンFSHと黄体形成ホルモンLH)が性腺(卵巣や精巣)を刺激します

  3.黄体機能の低下に伴い、卵巣からの女性ホルモンの産生が減少します。

  4.この情報が視床下部や下垂体に伝えられて、視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンGnRHや下垂体からの性腺刺激ホルモンである卵胞刺激ホルモンFSHの産生が増加します(negative feedback)。

  5.これにより胞状卵胞に育っていた卵胞が発育し、卵胞ホルモンが増加します。この卵胞ホルモンにより子宮内膜は次第に厚くなり、また、頚管粘液の性状は精子が通過しやすくなります。

  6.5)により一旦、卵巣刺激ホルモンの産生は減少します

  7.その後、卵胞ホルモンが急増したとき下垂体からの性腺刺激ホルモン(LHおよびFSH)の急増が起こります(positeve feedback)。

  8.これにより成熟卵胞から卵子が排卵されます

  9.また排卵後の卵胞に黄体が形成され、卵胞ホルモンだけでなく黄体ホルモンが産生され、子宮内膜は受精卵の着床のための準備をします。

10.妊娠が成立した時は、受精卵が造る絨毛性性腺刺激ホルモンhCGが黄体機能を維持させます。妊娠が成立していないときは、1)に戻ります。