一つの土地を分けることを、土地の分筆(ぶんぴつ)と言います。


土地は二つに切るだけでなく、たくさん分けることも可能です。


逆に、複数の土地をくっつけるのは、合筆(ごうひつ、がっぴつ)と言います。


分筆、合筆を会わせて行うのは、分合筆と言ったりしますが。



まあ、前提はこれまでにして。


一つの土地をたとえば二つに分けた場合


その二つの土地は基本的には同じ権利関係が続きます。


ある土地が共有であれば、二つに切ったら共有の土地が二つできあがりますし


ある土地に抵当権等の担保権が付いていた場合


基本的には抵当権が付いた土地が二つ出来上がるという訳です。



地番が1番1から1番10の土地が10個あった場合


1番1の土地を切ると、切った後のは二つに分かれるので


もとの1番1と、分けられた土地は、10の次の1番11という風に名づけられます。


1番1に抵当権がついていたら、分けた後の1番11にも、抵当権が付いている。



つまり、抵当権を設定した当時は、契約書には、対象の土地として


1番1の土地しか書かれていないのですが


設定後に分筆をしていると、自然と1番1しか書かれていなくても


1番11もついていることになるのです。


なんだか前置きが長くなりましたが


何が言いたいかというと、設定契約書に1番1の土地しか書いていなくても


他の地番にも抵当権がつく状態になることがある、ということです。



先日他の登記で登記事項証明書を確認した時に


切る前の1番1は抵当権が抹消してあったけれど


1番11は抹消してなかった、ということがありました。



借りたお金の一部返金等で、


金融機関の意図としてそういう状態にすることはありますが


残念ながら全額返済しているとのこと。


ということは、抵当権は全部抹消してなければならない。


お客様も、あれ?終わっているはずなのに、という感じでした。



要は、その分筆後の土地を失念していて、消すのを忘れてしまっていたんですね。


このようなことを回避するには、その抹消するときに


共同担保目録(共同で担保に入っている物件をすべて記載されるもの)付きの登記事項証明書を取れば確認できるのですが


それをしなかったのでしょう。


そのような登記事項証明書の取得方法は、


申請書の「共同担保目録付」のところにチェックを入れるだけですし


つけてもつけなくても基本的には金額は一緒



これを忘れただけで、抹消の手続きを2回やらなければならなくなってしまったんですね


費用もほぼ倍かかってしまうので、もったいない


確かに抵当権抹消の手続き自体は、自分でできるくらいの


そんなに難しいものではありませんが



こういう事例もあるということは、覚えておいていただければと。



ネット等で拾える申請書の書き方だけではわからないこともあるので


お気を付け下さいませ。



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