アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社
感情・情念・表徴
第41章 意地悪な人
意地悪な人は相手を支配出来ないでいるその行為は
過激・情念に身をゆだねきっている。
欲望だかから判断し、何かを絶えず他人に強要し、
自分の権利を並べ立て自己弁護・熱弁をする人である。
一方善良な人は平安を獲得するべく一切を行動する割には平安を得ることがない。
褒め言葉に弱く自分の小さな欠点も過大視する癖がついている。
寛大でありながら弱さと屈従を生きる原則としている。
お人好しである。
さてお人好しの人よ!
分別があるなら逆風に向かっては帆をおろし、
順風に向かっては帆を上げる算段をせよ。
憤怒の本体を解くと見定めよ。
支配するということは従うことなのだ。
船を動かすということは風に従うことなのだ。
憤怒を抑えることは憎しみが内向してやりきれなくなる前なのだから。
意地悪な人は過激である。
強い風である人を支配出来ないから激しい心の炎を持つ。
これに打ち勝とうとすると心身ともに疲れ果てる。
だから分別して怒の時は相手にするな。
意地悪な人は一人でいられないか、善良な人は一人でいられる。
自己コントロールできるのだ!そのコツを覚えよ!
2023年5月4日三峰神社