アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社

 

感情・情念・表徴

 

第40章  体 液

 

 

 

 

家庭というものは体液と血液が絶えず混じり合い

 

衝突すれば揺れ動きまた激しく揺れる壺と例える。

 

喜びはお腹の中に居るカンガルーのようで安らかにであり

 

逆に憤怒・拒絶・軽蔑・嫌悪も絶えず繰り返される。

 

家庭の中では人は決して妥協されないのである。

 

家庭の中で生じる人間の最初の衝動は真実のものではなく、悔恨や弁明が多い。

 

教育が家庭内でできないのはその理由である。

 

人間の自然の本性、心の動きを知るためには「待つこと、拒絶すること」である。

 

この狩猟に似た考え方によって悪徳を払い、幸福を待ち伏せることである。

 

探し求めなければ本性は出てこない。

 

思いのまま把握できないのが人間の本性である。

 

人間の自然の本性は、「情念の激動の力」によるもので簡単にはその本性は見抜けない。

 

「待つ・悪を拒絶する」ことが秘法である。

 

壺に入っている水のように待てば静かに落ち着く平安の日もくる。

 

 

 

2023年1月8日孫太郎キャンプ場にて