アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社

 

感情・情念・表徴

 

第37章  人間のない首

 

 

 

思考はいつも横隔膜の上下の間で行われる。

 

飢えは食を与えれば落ち着くが、恐れ・心配など心情的なものは、

 

心臓を目指して高邁な感情を目覚めさせて語りかけなければならない。

 

このことから頭というものは外を見聞きしたりする窓。

 

または単なる執行官であるにすぎないのだ。

 

知識・予感・予想・計算するなどは頭でやっていることにすぎない。

 

体の耳・口・目は単なる付属器官に過ぎない。

 

脳神経系が体を支配している生理学というのは神話・迷信である。

 

「考える身体」というように、全体が部分を支配しているのだ。

 

思考は大脳ではなく体全体にある。

 

横隔膜の上下で考える高邁な感情で反応しているのだ。

 

横隔膜の上は心臓があり、高邁な感情を持つ。

 

横隔膜の下は胃があり、飢え、恐怖の精神を持つ。

 

精神・錯乱者・泥酔者・狂人は頭脳障害である。

 

 

人間の思考能力は頭ではない。

 

高邁な感情でコントロールされたものだ。

 

だから何をどうしてやればよいかは全く理解できるものではない!

 

 

 

2022年2月11日(和歌山県トルコ記念館ツーリング)