アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社
感情・情念・表徴
第34章 空虚な内奥
無意識とは動物本能に似た力。考えもしなかった言葉。
風にそよぐ木の葉のざわめきみたいに何の意味もない自然の動き。
決して無意識に出た表徴は自分の考えを翻訳したものではない。
本心ではない。
それを本心と考えるのは思い込み。
身体の妄想に操られる思考そのものであって「自己迎合壁」である。
人間の思考は注意力の限界外に出た場合、言葉として出てくるのだ。
ちょっと興奮したり疲労したりすると
神経の筋肉を支配する習慣が言葉として出てくる。
身振りとして出てくるのだ(デカルト)
これには想念はないのだ。
表徴の偶然なのだ。
人間の身体の単なる作用なのだ。
だから
自分の見た夢など解釈してはならないのだ。
表徴の偶然の集合に過ぎないのだ。
人間の身体の単なる作用には何の想念も含まれてはいないと
判断しておけば立派な安全装置になるのだ。
そうなったら笑いがこみあげてくる。
2023年1月8日(三重県孫太郎キャンプ場)