アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社

 

感情・情念・表徴

 

第14章 夫  婦

 

 

 

オーギュストコントは男女両性の性向について特有の人間的機能についてを公平に語った。

 

それは生き物の注意深さからくるものである。二種類の注意力。

 

 

1つは

 

外部を警戒し、危険と食糧に対して見張りを続け、障害物を征服し、打破していく準備を常に怠らないと言う

 

注意深さ。

 

2つめは

 

自分自身の存在及び栄養を取り成長しつつも依然として己自身であることをやめないと言う内的法則によるもの。

 

 

男性は外側の方を見て、女性は内側の方をみる。

 

絶えず人間形成をする仕事を行うのは母親の動作なのである。

 

動作は思考によって発展される。

 

女性の抱く概念はすべて子どもの形をしている。

 

女性特有の計算。どうしても欠かせないものだけをまず自分のものとし、

 

それ以上のものは男性の力に頼る。

 

夫婦喧嘩のテーマは外的必然の尊重(男性的で粗野で思いやりのないもの)と人間的な要求(女性的で調和と均衡のとれた

 

子どもの形。女性的で閉鎖的)の両者のバトルである。

 

男性は外側の方を見るものであり、女性は内側の方を見るもの。

 

物に服従をする外的必然をどうしても欠かせないという男性を

 

内的必然を主張する女性が互いに譲り合わないと夫婦喧嘩のテーマとなる。

 

建築は男性、装飾は女性のものである。

 

世帯とはやりくりをいうのである。

 

女性の知性(女性の思考)は、人間を形成する。

 

母親が行う、考える動作は人間を形成する。