アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社

 

感情・情念・表徴

 

第3章 自由な魂

 

 

 

恩恵は物と同じで、力と重さを持つ。

 

だから人は恩恵を背中に背負うのである。

 

しかし

感謝の気持ちは衷心と友情を湧きださせる力は持たない。

 

 

嫉妬深い人間は

 

相手が自分を愛さなくてはならないゆえんを

 

いちいち証拠をあげて述べ立てる。

 

もっとも幸あれと願う相手にこそ、

 

人間は最も大きな「危害」を加える事がある。

 

 

どんな争いの場合にもこの一言が相手を傷つけることが分かり切っているのに

 

それを相手に言わずにはいられなくなるであろうと

 

当事者自身が知っている。

 

 

人間関係、コミュニケーションとは軽率に言われたものではない。

 

いつ何時、「感謝・愛・幸」と色景色を飾っていても、

 

もしかしたらそこには

 

感謝ゆえんに、愛だから、幸せになってほしいなどの

 

言葉の裏腹に、憎しみがあるのかもしれない。

 

 

強制・理屈・恩恵・感謝の気持ちは「情念のドラマを作る餌となる」。

 

 

怒りが怒りを作り危害を加える行動の撞着となる。

 

そのためにどうしたらよいか・・・・

 

崇高な感情が薬となるのだ。

 

 

崇高な感情とは、「優しい・美しい自由な心」である。

 

 

相手のピストルは放っておくことだ。

 

相手の演技は見ないことだ。

 

一番良い方法は「我慢することだ」

 

強制や理屈は武器となり相手を威圧し効力を失い薬とはならないのだ。

 

 

 

鶉の生家にて

鶉の生家にて(3歳くらい)