アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社

 

感情・情念・表徴

 

第1章 崇高

 

 

 

人間は崇高な感情をもっとも欲するものである。

 

しかしそのためには、嫉妬・妬み・虚栄心をもつものである。

 

人間にとって

 

崇高なものとされるものは「賞讃」である。

 

この賞讃を得るために

 

あらゆる苦痛・恐怖・疲労・怒り・快楽を克服することである。

 

人間は、

 

賞讃の裏側にある嫉妬・妬み・偏狭そして虚栄心に

 

打ち勝って来なければ「賞讃」されないのだ。

 

この克服が人間にとってもっとも追及されるべき「崇高」という感情である。

 

卑小で嫉妬深く、策略的、軽蔑されたものは、人間崇拝には値しないのだ。

 

人間は

 

賞讃を追求し、崇高なものを賞讃するもので、

 

そうでないものを軽蔑するものなのだ。

 

アランは

 

「あくせくと日々を送る日常茶飯事からのみ、人間の言動を推し測る事は正しくない」

 

という。

 

「その人間が何を好むかを見なければならない」という。

 

その見方考え方が

 

「崇高なもの」「賞讃」というべきものなのだという。

 

 

人間の言動・行動のみで判断をするのではない。

 

 

むしろそういう判断をする方法が「崇高な自分」ではないのだ。

 

 

崇高な人間はそういう考え方はしないのだ。

 

 

先入観を捨てよ!中身を見ろ!