アラン著 古賀照一訳 「3」 白水社
感情・情念・表徴
序章
自分の力で全ての忌まわしい想念を洗い流す術を
知る知恵を得ることはとても大切な事である。
海が小波をかき消すように
人間の過去を出来事をいつまでも残すことなく
潮の水で洗うようにしていきたい
水のように
流動的であらゆるものを流すこと
岩のように
過去にがんじがらめになってしまうと
老いる。
記憶というものは年とともに人を縛ってくる。
自分の身体の内と外を洗う人は幸いである。
それこそが
眠るすべを知ると言う事なのであり、何より大切な知恵なのだから。
人間は
水と岩からなる。
水によって人は若返り、岩によって人は老いる。
しかも人間はむしろ好んで老いたがるのだ。
2024.03.16(竹島)