今も迷う時に思い出すのは、猫背のあなた。




いつも、音色を紡いでいた。

私の手が触れることのない、少し遠くで。




私も絶対そういう大人になる、って。

何度も幼く伝えた。


おすすめはできないけどなあ、って。

あなたは困ったように笑っていた。





あのね、

私、

こんなふうにうたっているよ、って。





憧れた背中を無意識に追い続けてきたのだ、と。

あなたのその耳に届く日が来るように、なんて。












安藤裕子さんの「海原の月」を聴きながら。



二葉