昨日のブログにも書きましたが、私達が「美しい」「きれい」と感じることに規則がある(かもしれない)ということは、非常に興味深いと思いました。
自然の中にある数学が、芸術(絵や音楽)、心理学など様々なことと共通している。
なんだかワクワクしませんか?
科学の可能性を感じます。
DNAの2重らせんと、巻貝のらせんと、台風のらせんと、銀河系のらせんと、これらすべての構造が同じ規則で決まっている可能性が大きい。
だとすれば、私たちが「心地いいなあ」「美しいなあ」「気持ちいなあ」と思う感情も「ある法則」に従っているかもしれない。
しかも、それは自然界に存在する何かの規則と共通するかも…。
春休みはこれをテーマに、数学の文献を中心に自分自身で楽しんでみようと思います。
自然の中にある数学が、芸術(絵や音楽)、心理学など様々なことと共通している。
なんだかワクワクしませんか?
科学の可能性を感じます。
DNAの2重らせんと、巻貝のらせんと、台風のらせんと、銀河系のらせんと、これらすべての構造が同じ規則で決まっている可能性が大きい。
だとすれば、私たちが「心地いいなあ」「美しいなあ」「気持ちいなあ」と思う感情も「ある法則」に従っているかもしれない。
しかも、それは自然界に存在する何かの規則と共通するかも…。
春休みはこれをテーマに、数学の文献を中心に自分自身で楽しんでみようと思います。
2011.3.5 13:00~19:00
環境倫理研究会(大阪)
演題:生物の造形美
~分数多角形のフィボナッチ数列と黄金分割および等角螺旋の関係性~
(ふーた @Kinki University)
【要旨】
私は大学で軟体動物の遺伝子を解析しておりましたが、螺旋型の「貝殻」というのは本当に美しいとつくづく思います。
ツブ貝の貝殻を例に挙げますと、非常に美しい形をしているのがお分かり頂けるかと思います。ツブ貝は俗に言う「巻貝」であります。巻貝は1枚貝であり、巻型の形状であることは自分自身の身を守るのに有用です。貝殻を巻いていない貝はそれだけで自分を守ることができず、貝殻が2枚必要になり、故にそれらは「二枚貝」と呼ばれます。
実は、貝殻の形には美しい数学的な法則があり、それと同様に自然界には様々な法則が存在しています。そして、その法則が我々の自然への「美」の意識に関係しているのではないかと私が思う根拠がいくつかあります。
例えばハチの巣は6角形ですが、これは「6角形」という構造それ自体が丈夫であり、また、少ない材料で最も強固な形を作り上げることができる形状だと言われています。ハチの巣のような非常に利に適った構造は、植物に関しても例外ではありません。正5/2角形は普段よく見る星形の形なのですが、サツマイモの葉やヒマワリの葉のつき方はまさしくこの正5/2角形になっています。ブロッコリーは歪な形に見えますが全体として正5/2角形になっており、しかもその中の1つ1つも正5/2角形の形をしています。このような部分と全体が同じ構造をしているものを「フラクタル」といいます。
面白いことに、すべての植物の葉のつき方は「フィボナッチ数列」という法則に従っています。先ほどの2/5という数字もこのフィボナッチ数列に含まれているというわけです。このフィボナッチ数列に従って葉をつけることで、すべての葉に水や日光がまんべんなく当たるようになっています。巻貝は螺旋型ですが、マツボックリやサボテンもヒマワリもよく見ると螺旋構造をしています。巻貝は「ベルヌーイのらせん」、植物は「アルキメデスのらせん」であることはよく知られていると思います。
この植物の螺旋列の数もフィボナッチ数列に従っています。自然界には、かたつむりの渦巻き、銀河系の星雲、動物の角、爪、アンモナイトの化石など様々な螺旋があります。巻貝や植物と宇宙の星雲とが同じ螺旋曲線で結ばれているということは非常に興味深いところです。
また、幹の太さにも法則があり、それはレオナルド・ダヴィンチによって提唱された「木のパイプモデル」と呼ばれるものです。これは、樹液の流れが妨げられないようにするために、2つの枝の断面積の和が幹の断面積に等しくなるような構造であります。実はこの構造モデルは日常生活においても多々見出すことができるもので、先がどんどん細くなるような構造、つまり道路や血管、川の構造も木のパイプモデルと同じだと言われています。
先述した葉のつけ方の法則「フィボナッチ数列」と、幹の太さの法則「木のパイプモデル」を組み合わせてパソコンのプログラムに入力すると、まさしく木のような形ができあがります。
ここから我々が自然を、生物を、美術作品をなぜ「美しい」と感じるのかについてひとつの仮説が提示されます。つまり、我々の抱く「美意識」もある法則に基づいていると考えることが出来るのではないでしょうか。
フィボナッチ数列からは「黄金比(1:約1.6)」という比率を導き出すことができます。黄金比を持つ長方形(黄金長方形)は、最も均整のとれた美しい長方形であり、歴史的に古くから研究されてきました。古今東西の芸術家は意識的あるいは無意識的に作品の中にその比率を織り込んでいます。
有名なものでは、ギリシャのパルテノン神殿、ミロのビーナス、富嶽三六景 神奈川沖浪裏などです。まさしく、「芸術的」「美しい」という感情は自然の造形美に起因していると私は考えます。自然の中には様々な黄金比が存在しており、人間は自然を見たとき、自然の中の均整に美しさを感じます。芸術作品の中にそれら規則を見出すとき、「人工物である芸術の印象」と「自然の造形の印象」が等しい価値を持つのではないでしょうか。
アリストテレスの「芸術は自然を模倣する」や、ルキウス・アンナエウス・セネカの「あらゆる芸術は自然の似せ絵である」という言葉は、そのようなことを示している気がしてなりません。
今回、植物の葉のつき方で例示した分数多角形におけるフィボナッチ数列と、そこから導かれる黄金分割および等角らせんの関係性について詳しく考察し、有益な議論が展開できればと思います。
(ふーた @Kinki University)
環境倫理研究会(大阪)
演題:生物の造形美
~分数多角形のフィボナッチ数列と黄金分割および等角螺旋の関係性~
(ふーた @Kinki University)
【要旨】
私は大学で軟体動物の遺伝子を解析しておりましたが、螺旋型の「貝殻」というのは本当に美しいとつくづく思います。
ツブ貝の貝殻を例に挙げますと、非常に美しい形をしているのがお分かり頂けるかと思います。ツブ貝は俗に言う「巻貝」であります。巻貝は1枚貝であり、巻型の形状であることは自分自身の身を守るのに有用です。貝殻を巻いていない貝はそれだけで自分を守ることができず、貝殻が2枚必要になり、故にそれらは「二枚貝」と呼ばれます。
実は、貝殻の形には美しい数学的な法則があり、それと同様に自然界には様々な法則が存在しています。そして、その法則が我々の自然への「美」の意識に関係しているのではないかと私が思う根拠がいくつかあります。
例えばハチの巣は6角形ですが、これは「6角形」という構造それ自体が丈夫であり、また、少ない材料で最も強固な形を作り上げることができる形状だと言われています。ハチの巣のような非常に利に適った構造は、植物に関しても例外ではありません。正5/2角形は普段よく見る星形の形なのですが、サツマイモの葉やヒマワリの葉のつき方はまさしくこの正5/2角形になっています。ブロッコリーは歪な形に見えますが全体として正5/2角形になっており、しかもその中の1つ1つも正5/2角形の形をしています。このような部分と全体が同じ構造をしているものを「フラクタル」といいます。
面白いことに、すべての植物の葉のつき方は「フィボナッチ数列」という法則に従っています。先ほどの2/5という数字もこのフィボナッチ数列に含まれているというわけです。このフィボナッチ数列に従って葉をつけることで、すべての葉に水や日光がまんべんなく当たるようになっています。巻貝は螺旋型ですが、マツボックリやサボテンもヒマワリもよく見ると螺旋構造をしています。巻貝は「ベルヌーイのらせん」、植物は「アルキメデスのらせん」であることはよく知られていると思います。
この植物の螺旋列の数もフィボナッチ数列に従っています。自然界には、かたつむりの渦巻き、銀河系の星雲、動物の角、爪、アンモナイトの化石など様々な螺旋があります。巻貝や植物と宇宙の星雲とが同じ螺旋曲線で結ばれているということは非常に興味深いところです。
また、幹の太さにも法則があり、それはレオナルド・ダヴィンチによって提唱された「木のパイプモデル」と呼ばれるものです。これは、樹液の流れが妨げられないようにするために、2つの枝の断面積の和が幹の断面積に等しくなるような構造であります。実はこの構造モデルは日常生活においても多々見出すことができるもので、先がどんどん細くなるような構造、つまり道路や血管、川の構造も木のパイプモデルと同じだと言われています。
先述した葉のつけ方の法則「フィボナッチ数列」と、幹の太さの法則「木のパイプモデル」を組み合わせてパソコンのプログラムに入力すると、まさしく木のような形ができあがります。
ここから我々が自然を、生物を、美術作品をなぜ「美しい」と感じるのかについてひとつの仮説が提示されます。つまり、我々の抱く「美意識」もある法則に基づいていると考えることが出来るのではないでしょうか。
フィボナッチ数列からは「黄金比(1:約1.6)」という比率を導き出すことができます。黄金比を持つ長方形(黄金長方形)は、最も均整のとれた美しい長方形であり、歴史的に古くから研究されてきました。古今東西の芸術家は意識的あるいは無意識的に作品の中にその比率を織り込んでいます。
有名なものでは、ギリシャのパルテノン神殿、ミロのビーナス、富嶽三六景 神奈川沖浪裏などです。まさしく、「芸術的」「美しい」という感情は自然の造形美に起因していると私は考えます。自然の中には様々な黄金比が存在しており、人間は自然を見たとき、自然の中の均整に美しさを感じます。芸術作品の中にそれら規則を見出すとき、「人工物である芸術の印象」と「自然の造形の印象」が等しい価値を持つのではないでしょうか。
アリストテレスの「芸術は自然を模倣する」や、ルキウス・アンナエウス・セネカの「あらゆる芸術は自然の似せ絵である」という言葉は、そのようなことを示している気がしてなりません。
今回、植物の葉のつき方で例示した分数多角形におけるフィボナッチ数列と、そこから導かれる黄金分割および等角らせんの関係性について詳しく考察し、有益な議論が展開できればと思います。
(ふーた @Kinki University)
