〔5月26日(日)〜28日(火):岩手研修記〕

そして今回の研修報告の最後は、当寺院のお隣にある薬仙寺共々家族ぐるみで懇意にさせてもらっている、一関市藤沢町にある長徳寺参拝の記録です。

 

 

 

こちらのお寺は、地域のキリスト教徒との深い縁があるそうです。

確かにお寺のある地域は、一関市の中心地から車で1時間ほど走った所にあり、江戸禁教時代に潜伏キリシタンと承知していながら檀家として受け入れ擁護してきたお寺と言われても納得できる、まさに人里離れた場所です。

 

境内には、そういったことを示す碑や資料がありました。

 

また今の住職の代になってから、岩手県を中心に日本各地に伝わる裸祭り「蘇民祭」を、昔のような裸の漢たちがぶつかり合う激しい形式に戻し復興されたそうです。

とにかくパワフルな住職さんで、来年にはその蘇民祭のフィナーレを飾る不動明王(下写真)のお堂を落慶される予定だそうです。

 

 

結局昼食までご馳走になってあっという間の滞在時間でしたが、同じ時宗の住職として、とても良いお話とお寺の復興経験談をたくさん聞かせてもらえました。

 

と言うのも、このお寺の現住職さんは私と住職歴はほとんど同じで、しかも着任時の境内・建物の状況も普照院と酷似していました。

私が住職になった当時の普照院は、阪神淡路大震災からほとんど手付かずの状況で既に10年以上が経過していました。

そんな中なんとかここまでの20年間で現状まで復興してきましたが、それは檀信徒のご協力もそうですがその立地条件にもかなり助けられたものだったと、いつも感じています。

しかしこのお寺の住職は自分が生まれ育った場所でもないにも関わらず、地域の方々と協力しながら、それだけでなく様々な団体・組織とも連携して、こんなに見事に過疎の進む村のお寺を復興されました。

そんな今日のお話はここでは書ききれませんが、私の今後の活動に大いに役立つと確信しました。

ご住職様、本当に色々ありがとうございました。

 

さて、これで今回の研修記録は終了です。

ちなみに他の岩手県内の時宗寺院にも私は公私共々色々ご縁があり、全てのお寺を参拝したかったのですが、そのためにはあまりにも時間が足りませんでした。

そんな二泊三日の研修でしたが、私が岩手県にいる間に神戸ではJアラートが鳴ったり、台風1号の影響で大雨警報が一日中発令されていたりと大変だったようです。

 

それでは今回の貴重な経験を、これからの僧侶人生に活かしたいと思います。

 

合掌

 

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