本日は朝一番に登山です。

第一結集(釈迦入滅直後)が行われた「七葉窟(しちようくつ)」を目指します。

 

先にお話ししますが、この山の登山口から目的地までのその道すがらには、ヒィンズー教寺院やジャイナ教寺院が点在しています。

 

インドには霊山と呼ばれる聖地が他の地域にもいくつもありましたが、色々な宗教が同じ場所を霊山とし仲良く共存していました。

中東の紛争の耐えない某地域とは、雲泥の差です。

インドの奥深さを感じます。

 

そんなことを考えながら約1時間で到着(上写真)しました。

 

洞窟前でお勤めをした後、すぐに下山です。

ちなみに七葉窟の『七葉』とは、『七葉樹』のことで当時ここにはその植物がたくさん生えていたことがその名の由来だそうです。

七葉樹→ http://tplant.web.fc2.com/3kyoutiku_hitiyouju.html

 

この洞窟は現在数メートルほどで行き止まりになっていますが、入ることは可能です。

但し、懐中電灯が絶対に必要です。

昔は行き止まりではなく、これから行く山の麓にあるソーナバンダル石窟まで繋がっていたともいわれています。

 

なお頂上までは、上写真にも写っていますが『かご屋さん』に運んでもらうことも可能です。

500ルピーほどですが、疲れたの何だのと難癖を付け追加料金をふっかけられます。

どう対処するかは、乗る方次第ですね。

 

 

次は、下山してバスで数分移動した所にあるソーナバンダル石窟寺院跡です。(上写真)

 

ここは仏教もしくはジャイナ教の寺院跡といわれ、今だに確定していません。

またここはマガダ国の財宝を置く金庫でもあったそうで、ジャイナ教の呪文(壁に刻まれていますが未解読)を唱えると、その扉が開くという石壁がありました。

 

さて今日は少し旅の疲れが溜まってくることをガイドさんは予想していたのか、午前中はここまで。

ホテルに戻る途中に王舎城の神殿跡を車中から見学した後、11時前にホテル到着しました。

 

しかし実は、ここから私の孤独な戦いが始まるのです・・・その話は今日のブログの後半で。

 

昼食後、午後1時に出発、次の目的地はガヤという町のそばにある、「前正覚山(ぜんしょうがくさん)」です。

 

ところでここまでいたラジギールという町は、今まで訪れたインドの町とは少し違い360°ほぼ全てを山で囲まれています。

まさに天然の要害といった風情ですが、さらにその尾根をそうように城壁(下写真:左下より斜め上に向かう土塀)が今なお残っています。

 

 

その尾根は大きく分けると5つあり、それらの頂上には寺院や聖域があります。

京都の五山信仰もここから来ているのかもしれないと、日本人ガイドさんが言ってました。

 

この城壁の町へ昨日はその北門跡から入り、今日はその南門であった所から出立しました。

 

途中、マガダ国時代に出来た鉄輪戦車のワダチ跡などを見学し揺られること約2時間半、バスはとつぜん道を外れ、日本の採掘現場のような所に入っていきます。

 

そして駐車場とは名ばかりの砂ぼこりの中、到着したのが前正覚山・留影窟(下写真)の登山口です。

 

前正覚山・留影窟→ http://www.sol.dti.ne.jp/~shiraka/zensyogaku.htm

 

 

ここは午前中ほどの登山ではありませんでしたが、実は先ほどの昼食前から私はインド上陸後2回目の腹痛が始まっており、とても登山する気分ではありません。

 

しかし登らねばなりません。

なぜならここはお釈迦様が6年もの間苦行をされた神聖な場所であるからです。

 

そんな時、ちょうど私の目の前に、バイクの兄ちゃんが現れました。

要は登山タクシーです。

 

これはお釈迦様の手助けだと思い、さっそく便乗。

あっという間に上写真の留影窟に到着しました。

腹痛でもバイクに乗ると復活するのは、元バイク屋魂がまだ残っているからでしょう・・・とにかく助かりました。

 

この洞窟の中には釈迦苦行像がお祀りされてあり、その横にはチベット仏教僧侶が常駐している寺院がありました。

 

 

またその寺院の中に、お釈迦様が苦行を離れ乳がゆの供養を受けた場面(上写真)を描いたリアルな絵がかざってあり、とても印象的でした。

 

さて下山した後は、すぐに出発です。

 

30分ほど走ったところにガヤという町があり、そこにある橋を渡ったその下が、次の目的地『尼蓮禅河(にれんぜんが:ネーランジャ河)』と呼ばれる場所です。

 

 

ここは、先ほどの留影窟での苦行に意味を意味出せなかったお釈迦様が、スジャータと呼ばれる娘の乳がゆの供養を受け悟りのきっかけをつかまれる場所です。

 

今は乾季のためか、「河」とは名ばかりで水らしきものが有りません。

その砂漠のような場所にバスを停めてもった時、ちょうど水があるであろう向こうから歩いてくる女性がいたので撮ってみました。

 

この先にはスジャータさんの住んでいた村も現存します。

彼女もこんな感じでお釈迦様の前にやってきたのかな、と思いながら・・・(少しご年配のようですが)パシャ。

 

この砂だけの河原は何気ない場所ですが、ここから先程の前正覚山(留影窟)や明日訪れるお釈迦様が悟りを開いた場所『ブッダガヤの大塔』も見ることができるので、その距離感がよく理解できます。

まさに苦行→乳がゆ供養→悟りといった仏教説話通りの道筋を体感できる場所でした。

 

さて時刻は午後6時前。

ブッダガヤのホテルに向かいましょう・・・

腹痛が段々ひどくなってきました・・・

 

ホテル:HOTEL ROYAL RESIDENCY(Bodhgaya)

 

普照院HPに戻る