帰国後に考えてみると、この6日目が私にとって一番過酷な日になりました。

15日間で一番の悪路に加えて、第1回目の下痢が始まったからです。

 

それはともかく、今日は道路状況からバスでの移動が困難であるため、3台の乗用車に分かれて目的地に向かいます。

こういった配慮は、さすが旅行会社主催のツアーならではです。

 

涅槃の地を離れた我々は、インドで最大にして一番美しいといわれるストゥーパ(紀元前3世紀ごろ)のあるラウリア・ナンダガル(ナンダガル遺跡)を目指します。

朝6時にホテルを発ち約5時間、延々写真のような道を突き進んだ先にそれはありました。

 

 

1861年に発見されたこのストゥーパ(上写真)からは、現在のところ仏舎利(ぶっしゃり:お釈迦様のお骨)は発見されていません。

高さこそこれから向かうケサリアのものよりは低いのですが、その原型の保存状況はその地理的要因からも良好で、最も美しいストゥーパといえると思います。

 

しばし堪能した後、車で1分程の近くの原っぱでランチ(ホテルが用意してくれたランチボックス)になりました。

 

どうして原っぱなのか?そうです、建物が全くないのです。

もちろんトイレも。

私は男性ですからまだマシだったのですが、女性陣は大変そうでした。

なるほど、観光客が来ないはずです・・・

 

でも私はこの頃には正露丸が効いてきたのか、体調も少し良くなってきたのでハッピーです、ホッ。

 

 

昼食の場所から車で約5分のところに、インドに二つしかない(もう一つは今晩の宿泊地ヴァイシャリ)完全な形のアショカピラーがありました。(上写真)

 

紀元前3世紀(アショカ王期)から雨風に耐え現存しているということは、見方を変えるとこの地まではイスラムの破壊が及ばなかったということでもある訳です。

 

しかしせっかく写真のように遠目には美しいのですが、近くに寄ってみるとなんと落書きだらけ。

この塔を発見した方が書いた落書きまであります・・・

以前イタリアの遺跡に落書きをしてお灸を据えられた日本の女学生がいましたが、古今東西、人間は愚かな生き物なのですねえ。

 

またこの辺りには、明らかに何かが埋まっていそうな小高い丘が点在していました。

建物がないだけにそれらがよく分かります。

是非経済発展著しいインド政府が、これら遺跡にも目を向けてもらえることを祈ります。

 

さてその後、また車で移動した我々はラウリヤアラジ(ラウリアアララージュ)という町にあるアショカピラー(ここは完全な形ではなかった)に立ち寄り、午後3時頃ケサリアに到着します。

 

ケサリアという町は、お釈迦様が王宮(カピラ城)から旅立ち、剃髪され出家を遂げた場所とされています。

 

その道中、今までいたUP州から、ビハール州に入りました。

ネパールとの国境ほどではありませんが、州境にもきっちり検問所があります。

また朝から分乗した乗用車から、これまで乗ってきたバスと合流し乗り換えることができました。

 

 

上写真は、ケサリアのストゥーパです。

まだ半分しか発掘されておらず、逆にそれが全景を神秘的なものにしているように感じます。

 

発掘された部分は色々復元されており、先ほどのラウリア・ナンダガルのものより美しく感じました。

 

さらに1862年に発見されてから現在7段目までの仏像壇が発掘されていますが、このケサリアのストゥーパの特徴としてその仏像壇にレプリカ像が設置してあります。

またここでも仏舎利(マガダ国から分骨されたものがあるとされていますが)は発見されていません。

頂上の壇は、1934年の地震で倒壊し、現在は約38mの高さになっています。

 

ここは今日の午前中に行ったラウリア・ナンダガルと違い発掘に力を入れていることがよく分かり、各箇所が立入禁止の柵で囲ってありました。この発掘に関しての力の入れようだと、数年後にはまた違った形になっているのだと思います。

何どもインドに来たくなる人の気持ちが少し理解できました。

 

 

夕刻も迫った頃、ヴァイシャリに到着しました。

このヴァイシャリで、お釈迦様は自分自身が3ヶ月後に涅槃に入る(死を迎える)ことを予言されます。

またこの町は、紀元前377年に行われた第二結集の地でもあります。

 

そこにあるアショカピラーもインドに二つしかない完全な形のもので、この登頂にある獅子の像は、お釈迦様涅槃の地(お亡くなりになった場所)であるクシナガラの方向を向いているそうです。

 

また午前中に見たもう一つの完全形であるラウリア・ナンダガルのアショカピラーの獅子の像とここのものは、少し違った形をしていました。理由は分りません。

とにかく今日は一日で、インドに二つしかない完全形のアショカピラ―を、二つとも見たことになります。

実はスゴイことなんですよね~。
(さすがアショカツアーズさん(笑))

https://ashokatours.com/

 

 

さてお腹の調子もずいぶん回復しましたが、まだ研修日程は半分も消化していません。

今日はホテルでじっくり体を癒すとします。

 

ホテル:THE VAISHALI RESIDENCY(Vaishari)

 

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