今回の旅のテーマでもあったルクセンブルクに着いたのは夜の19時を回った頃だった。

ブルージュからルクセンブルクの電車もいろいろ紆余曲折あって、乗った電車は変更に継ぐ変更だったのだがその辺はまた機会があったら。

 

ルクセンブルクの19時過ぎは店は開いているものの、泊まる予定のユースホステルは約2キロ離れている。道も地図から見ると意味不明。タクシーに乗ることにした。

 

タクシーから見る景色はAmazingだった。予期していなかった。普通のヨーロッパの町だと思ったのだが、独特だった。町全体が谷で囲まれているというか、新市街と旧市街が渾然一体となっているというか。タクシーの窓から覗く景色に圧倒された。

ちなみにこの2キロの行程で16ユーロ。日本より高いタクシーというのも珍しいのでは。


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ルクセンブルク駅到着



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ルクセンブルクの駅舎。夜景は撮り損ねた

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ドミトリーの部屋にひとりオジサン


 

翌日何のアポも無かったがSESという会社に行ってみることにした。

 

SES(https://www.ses.com/)はヨーロッパ最大の衛星運用会社。前にも書いたがルクセンブルクは宇宙に力を入れることになったのはこのSESの成功が大きい。未来へ先行投資したことがこうしてビジネスを産み出したのだ。このような背景もあってルクセンブルクは金融大国でもあり、国民一人当たりGDPが世界最高になったりしたのだろう。

 

海外で働くことはどういうことなのだろう、というテーマに対し。ルクセンブルクで働くイメージをこのSES社訪問で具体化できるか、というのももう一つの目的だった。


SESは大会社なので訪ねたら何か展示館みたいなものを見せてくれるだろう、あわよくば広報担当の人が出てきてGeneral Informationをくれるだろう、という程度の浅はかなMotivationでルクセンブルクの郊外、電車で30分+徒歩30分のほとんど国境になってしまう郊外へ出かけた。

 

30分のルクセンブルクの田舎道を歩き、ゲートに到着した時ちょっと緊張した。ある程度予想はしていたが、ガッチリ守衛所でセキュリティが確保されていた。


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ルクセンブルクからドイツの国境近くの町。ザ田舎だがなんか可愛らしい


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SESへの道中



守衛所でガードマンに『アポはないのだが、日本から来たSpace Companyに勤めているものだが中を見せてくれないか?General Information exchangeをしたい』とかなんとか言って尋ねた。

ガードマンも日本からわざわざ来た人間を邪険に扱うのも気が引けたのか『誰と話したい?』と聞かれ、『Outreach, public relation officeの人がいい』など適当に答えたら、3回くらい電話をたらい回しにされた。


ちゃんとした会社のセキュリティだから、突然現れた東洋人なんてそのまま追い返す可能性もあるなぁ、なんて50パーセントくらいで思っていた。

が、しばらく待った挙句入場を許可された。

 

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ついにビルディングまでたどり着いた



第一関門突破。その後どうなるかドキドキしながらビルに入った。

入り口の受付では、君の話は聞いているよ、と待つように言われた。

 

しばらくすると風格のある紳士が『Welcome』と言って握手を求めてきた。

名刺交換をすると”Vice President of Public Relation Company”というような肩書きだった。年齢も50に差し掛かった頃だろうか。「マ、マズイ」と思った。

こっちは一般的な見学のつもりで来たのだが、日本から若造がInformation exchangeをしたいと言って来たのをその部門の副部長?のような人が出てきたのだ。

 

何かを見学するというのでもなく、ディスカッションをすることになり、ある会議室で2人で話すことになった。

私は今回ルクセンブルクに興味を持ったこと、ルクセンブルクもSpace explorationの観点で日本に興味を持っていること、わが社もSESとの協力の可能性に興味を持っていること、その観点で意見交換したい、というようなことをひっちゃかめっちゃか英語で伝えた。

 

彼は興味をもってくれたらしく、Technology departmentのこれまたVice presidentや広報のSenior managerなどを部屋に呼んで意見交換を繋げてくれた。

 

「早く終わってくれ!?」と思いながら1時間半ほど議論をして帰ることになった。タクシーを呼ぶか?と聞かれたがここからルクセンブルク市の中心まで帰ったら200ユーロくらいかかるので、散歩しながら駅まで行くよと答えた

 

今はまだこの訪問がどんな意味を持つのか分からないが、いくつか議論の結果、キーワードをもらったので、帰って社内でFuture possibilityを模索してみたい。