令和5年8月10日(木)上高地~河童橋~槍沢ロッヂ~槍ヶ岳~槍ヶ岳山荘(長野県)
午前4時に起きて顔を洗って歯を磨いて、朝ご飯を食べてスグに出発できるように
着替えを済ませて、バックパックと登山靴を玄関に置いて午前5時に朝ご飯を食べる。
そして、玄関に出て登山靴を履こうと思ったら無い?
玄関を全部探したけど、やっぱり無い。
もしかしたら誰かが間違って履いて行ったかもしれないので
スグ外に出て、みんなの靴を見たけど履いている人は居ない。
もし間違って履いて行った人が、もう登って行ってしまっていたらどうしようもなく
登山靴が無いと、登るどころかこのまま引き返す事も出来ない。
登山靴を間違って履いて行く人が居る事は知っていたので
ワイヤーロックを持っていたが、まさか朝ご飯を食べている間に履かれると
思っていなくて油断していた。
そして、もう一度玄関を探していると登山靴を置いた所に居た
60代位の夫婦の奥さんの方が
「主人の登山靴だと思って、上に持って行ったと思います」と言われた。
そして、しばらく待っていると靴を持って降りて来たので
確認すると自分の登山靴だったので、これで登れると思いとりあえず安心した。
奥さんは謝っていたが、朝から揉めても仕方ないので
「見つかったので全然大丈夫ですよ」と言った。
でも、隣で主人が登山靴を履いているし、その登山靴も自分の登山靴とメーカーも違うし
デザインも全然違うし、なにより主人の登山靴と違うのが分かった時点で
元に戻さないといけないと思う。
もし、その夫婦が山小屋を出発していたら、まさか上にあると思わないので
自分の登山靴が見つかるまで、かなり時間が掛かったかもしれないし
もしかしたら見つからなかったかもしれない。
ちなみに、この日は満室で100人以上が宿泊しているので、その中から探す事になる。
前置きが長くなってしまったが、登山靴が無事に見つかったので午前6時に山小屋を出発。
そして、1時間ほどすると「ババ平テント場」に到着。
山の中のテント場には珍しく、水場と流し台とトイレがあった。
少し休憩をして更に1時間登り「水俣乗越」の分岐を通過。
そこから更に1時間30分登って「天狗原」の分岐を通過。
そして、更に1時間30分登ると、遠くに穂先が見えた。
そこから少し進むと「槍ヶ岳」と今日の宿泊先の「槍ヶ岳山荘」も見えて
テンションが上がる。
そして、30分ほど登ると坊主の岩小屋「播隆窟」に着いたので少し休憩。
エネルギー補給をした後、1時間ほど登り「殺生ヒュッテ」を横目に
上を目指すが中々近づかない。
それでも、つづら折りの登山道を息を切らしながら登り最後の階段を上がる。
そして午後1時45分、無事に今日の宿泊地「槍ヶ岳山荘」(標高3,080m)に到着。
とりあえず受付を済ませて、バックパックを置いてアタックザックにレインウェアと
ダウンと行動食とデジカメを入れて槍ヶ岳の山頂の穂先に向かう。
歩き出すと、背負っているアタックザックは中身を含めて1kg程なので
あまりにも軽くて背負っている感覚が無く、スタスタと歩けてビックリした。
如何にバックパックが重かったのか改めて思った。
そんな軽々の状態で穂先の アタック開始!
前を登っていた赤いジャケットの20代の女の子は、下を見ると高度があるので
かなりビビッて「怖い!無理!絶対無理!」って泣きそうになりながら登っていたけど
周りのみんなで励ましながら、なんとか山頂に登る事が出来た。
そして自分も「槍ヶ岳」(標高3,180m)の山頂に到着し
憧れだった穂先に登る事が出来て感無量だった。
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しかも天気が良く、かなり遠くまで視界が晴れて「常念岳」も「穂高連峰」も
キレイに見えて、最高の景色だった。
そんな穂先を満喫していると、ツアーの団体さんが登ってきて
穂先はスゴク狭いので、後の人達に場所を譲って降りる事にした。
降りる時も赤いジャケット女の子が前に居て中々進まなかったが
自分のせいで迷惑をかけていると、後ろの人達を気にしていたので
「後ろは気にしなくていいから、自分のペースでゆっくり降りればイイよ~」
と言って、登りと同じようにみんなで励ましながら降りた。
そして、無事に下まで降りてみんなでグータッチした。
みんな他人同士のグループだったが、連帯感が生まれてみんなで頑張って楽しかった。
そんな槍ヶ岳を振り返って見て、余韻に浸りながら山小屋に戻って部屋に入り
明日の準備をしていると、午後5時になった。
と言う事で、今日の晩ご飯。
晩ご飯を食べた後も明日の準備をして、顔を洗って歯を磨いて午後7時就寝。
でも、明日の準備に集中していたので、部屋や山小屋の中の写真を
1枚も撮っていない事に気づいた。
しかしこの時、とてつもなく過酷な試練が迫っている事を知る由もなかった。