ワタクシの中には、2人の獣医師がいる。

西洋医学派(以下、西)
「病気で病院にくる子たちは治してもらいたくて来ている。だから、下痢なら下痢を止める、皮膚炎なら痒みを消す、痛がるなら痛み止めをバンバン使う。症状が消えさえすればいいんだろ?」
東洋医学をはじめとする代替医学派(以下、東)
「病気にはさまざまな要因がある。体質、食事や生活環境、年齢や性質… それらを吟味し、目先の症状が消えれば良いのではなく、根本的な健康を取り戻さなくては」
西「しかし症状を早く消したら身体は楽になるし何より飼い主さんが喜ぶ。とてもいいことじゃないか!?」
東「症状を打ち消すだけの治療は真の治癒をもたらさない。遅かれ早かれ、たいていは再発する。それに、西洋医学の薬は副作用の強いモノが多く、症状消しても新たな不調を作り出しがちだ」
西「しかしだな、根本的治癒を目指す治療は効果が見えるまでに時間がかかる。例えば下痢を治すのに半年もかかってしまうようでは飼い主さんも不満だし、それってヤブなんじゃね?」
東「目先の症状だけ消すのなら、それは機械の修理と変わらない。それに今の獣医師は検査ばかりしてその結果だけで診断を下すことが多い。動物にロクに触れもせず飼い主さんの話しもあまり聞かず」
西「だって、症状が治ればそれでいいって言う飼い主さんが大多数だよ。手づくり食事は面倒くさいとか、時間かかかるのはイヤだたか」
東「だからいつまでたっても病気は減らない。人間の世界を見てごらん。アベノミクスはまやかしで、世の中みな不景気で不健康で不安不満。景気がいいのは大企業とお医者さんだけ!?患者さんは薬漬けで、薬飲むだけでお腹いっぱいになってしまう」
西「でも、とりあえず目先の症状を打ち消すのは大切だと思うよ。人間みな、今だけ自分だけ良ければいいって生き物だもの…


ふう…(長文失礼(^_^;)
 
毎日、こんな2人の葛藤とともに働いてます。
人間は、かなりろくでもない生き物ではありますが、二つの考えをまとめ折衷統合し進化できるという長所もあります。

だから毎日、西と東の意見をまとめながら、その子その子に合った医療、症状にフィットした治療を繰り広げております。
各種医学を(広く浅く)網羅し、治療の引出の多さだけは日本トップクラスの当院♪
今月はこれにて終了でございます~(^O^)