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【回顧録0193】
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「ビザが切れる!どうしたらいい?」

顔を見るなりダミアンに食ってかかった。

「ダイジョウブ!」

いつもの返事が返ってきたが、大丈夫な訳がない。

「ノーダイジョウブ!ビッグプロブレムね!」

オレの必死の形相に押されたのか

「オーケー、レッツゴー!」

珍しくダミアンはすぐに動き出した。



車に乗って向かったのは国境だった。

「エイジ、20ドルある?」

と言ってオレから20ドル受け取ると、国境施設の脇に車を止めて中に入っていった。

「エイジ!トゥギャザー!」

訳がわからないまま後についていく。

そのままカウンターに座り、オレのパスポートを広げてなにやら話し始めた。

最初のうちは揉めているようだったのだが、10分ほどしてアッサリとスタンプが押された。

ホントに20ドルでなんとかなったのか定かではないが、メキシコという国の更なる一面を感じた出来事。

何はともあれ、3ヶ月間の滞在延長が可能になった。



しかし問題はビザだけではなかった。

相変わらず試合はほとんど組まれず、たまにある試合もギャラは日本円にして2~300円程度。

時には試合後のタコスとコーラがギャラの代わりなんて事もあった。

会社からの仕送りもなく、持ってきた現金も底を尽きかけて、金銭的にも切羽詰まっていたのだ。



必然的に食生活も厳しくなる。

とはいっても身体を作るために食事の量を減らすわけにはいかないから、安いトルティーヤと挽き肉をまとめ買いして冷蔵庫に詰め込んだ。

野菜もキャベツを毎食1玉、こちらもまとめ買いで凌ぐ。

毎日、毎食同じメニューだったが、贅沢が言える状況ではなかった。


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◇イベント、ライブ出演情報◇
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○3/6(日)梅屋敷【UOYA】
○3/7(月)蒲田【串猿】
○3/13(日)渋谷【ヘッドロックカフェ】
○3/31(木)赤坂【ふらっとんcantina】
◇4/17(日)台北【詳細後日】
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