こないだプロレス界のあり方について書いたけど、変わっていく事はそう簡単なじゃない。

それでも変わって行かなきゃいけないのは間違いないと思ってる。

その想いを持つようになったのは99年頃からだった。

実はFMWが"エンターテイメント"を唱って活動しだしたのはこの頃からで、その背景には"変えて行かなきゃいけない"という想いがあった。

冬木さんがFMWに入団してしばらくして、荒井さんと3人で事務所で話をする機会があった。

「アンタ、実際のところ身体どうなの?」

新生になってから、知名度のないオレたちを覚えてもらおうと、とにかく飛びまくっていたオレの身体はボロボロだった。

実際、杖がなければ歩けないような状態でも試合に出続けていたし、出る以上には、みんなの期待に応えようと出来る限り飛んでいた。

そんな様子を見ていた冬木さんの問いかけに

「正直キツいですね・・・このままじゃ後何年も持たないと思います^^;」

素直にそう答えた。

「だよな・・・どう考えてんの?」

「なんとか休めるような状況にしてきたいんですけどね・・・」

そんな会話の流れから冬木さんのエンターテイメントプロレス論を聞く事になる。

「誰か一人の選手の人気に頼っていればアンタみたいに潰れてしまうだろ?
だから、まず団体としてパッケージでの面白さで興味を持ってみてもらうようにしていけば選手も無理しなくてよくなるし団体も安泰だろ?
それが主流になっていかなきゃ団体もプロレス界の未来もないんじゃない?・・・」

もともと"プロレスは大衆娯楽だ!"という想いでリングに立っていたオレは、素直にその話を聞く事が出来た。

「どう思う?」

「そうですね・・・やってみましょう!」

そしてFMWは徐々にエンターテイメント路線へとスイッチしていく事になる。

だけど、エンターテイメントを唱って動き出したFMWに対して風当たりは強かった。

もちろん全ての選手が納得していた訳ではないし、手探りで始めた演出には度々行き過ぎや脱線もみられたから、当然といえば当然だといえるけどね^^;

今思えばオレ自身の覚悟も足りなかった事も原因の一つだと思うよ。

その結果FMWは潰れ、当時のオレたちの思惑とは違ってしまった"エンターテイメントプロレス"が繰り広げられているように感じるのは残念でならない。



アメリカやメキシコでは"エンターテイメントプロレス"が定着している。

その理由の一つとして、まず観客が"楽しもう!"と思って観ている事が大きい。

国民性の違いがあるから難しいけど、ヒールにはブーイング、ベビーフェイスには声援・・・まずは声を出して楽しんでもらいたい。

そして一試合だけじゃなく、継続してみてもらえればと思う。

その声援にあぐらをかいてるような団体や選手は淘汰されていくだろう。

だから安心して目の前に出て来たものを楽しんでほしいと思う。

そうしてもらう事がプロレス界の変化にも繋がるんじゃないかな^^



細かい事は解らなくても、理屈じゃなく楽しめるのがプロレス!

プロレスは、他に比類なきジャンルなんだ^^

胸張っていこうぜ!