今日は特別な日だし、入門までのいきさつなんかをを少々^^

ミスター雁之助・・・リング上ではライバルとして闘っていた雁之助だけど、そもそもは大学の同級生で18才の頃からの友達だ^^
『商大プロレス研究会』同期で、リングネームは雁之助が「ソープ延長」、オレが「肥後瑞喜(ずいき)」、もう一人の同期「スーパー・ストロング・ダッコちゃん」を加えて『商大三銃士』なんていってバカばっかりやってた^^
そんなアイツがいなければハヤブサは存在しなかった・・・っていうか、アイツがいなければオレはレスラーになることはなかっただろうな^^

卒業間近(オレは中退だけど^^;)の22才の1月、福岡での就職が決まってたオレは、熊本を離れる前に雁之助とメシを食いに行こうと電話をかけた。

「ゴメン、行けんわ・・・」

「ん?なんで?」

「いや、一週間後にFMWの入門テストがあるけんが、それば受けようって思うとる・・・。」

「あ・・・そう・・・。」

この時雁之助も伊藤ハムから内定をもらっていた。
18才から毎日のように一緒にいてバカばっかりやってきた雁之助。
同じように就職するはずだった雁之助が合格するかどうかもわからない入門テストを受けて、夢を追いかけようとしているのを目の当たりにして無性に自分自身に納得いかなくなった。

レスラーになりたいって気持ちには気付いてても、痩せてるから(実際60kgなかった)って自分に言い訳して最初からあきらめてる・・・なんの行動も起こさないであきらめてる。
なんかたまんない気持ちになった。

「ダメでもいい、『あの時試験受けとけば…』なんて後悔するのだけは嫌だ!」

そう考えたら居ても立ってもいられなくなって、翌朝一週間分の着替えを持って雁之助のアパートを訪ねた。

「オレも受けるわ」

そう言うオレの顔を見た時の、雁之助の唖然とした顔は一生忘れない^^

そんな感じで勢いで決めた事だったから問題は山積み。
現実問題としてテストまで日はないのに、体力的な部分はもちろんだけど、テストを受けに行くための交通費も手元になかった^^;
翌日から朝イチで職業安定所の前に並んで日雇い労働、帰ってきてから学校のジムでトレーニング、食事は学食のコロッケ丼(230円)な毎日を送って交通費を貯めながら頑張ったんだけど、結局東京までの飛行機代にはビミョーに足りなかった;;
だけど、あきらめのつかないオレたちは必死になって調べまくって、見つけたのが博多まで鈍行、そこから夜行バスという0泊2日のルート・・・強行スケジュールだったけど、俺たちにとっては『夢に向かう希望に道』だった^^

試験当日。
新宿駅のバスターミナルから、やっとの思いで試験会場である道場の最寄り駅『本川越』に到着。
だけど道場までの道が分からなかった俺たちは、いかにも「試験を受けます!」って感じのヤツの後をつけてようやく会場に辿り着いたんだけど、この時初めて履歴書を出していないことに気付いた^^;
あわてて近所のコンビニに駆け込み履歴書をゲット、ぎりぎりで受付に提出して

「試験を受けさせてください!」

・・・って我ながら行き当たりばったりにもほどがある。
よく受けさせてもらえたと思うよ^^;

40人ほどが決して広くはない道場の中で、独特の緊張感を漂わせながらウォーミングアップをしていた。
間もなく試験官のターザン後藤が登場・・・テストが始まった。

スクワット500回、腕立て100回、腹筋300回、ブリッジ3分、柔軟運動だったかな?
いっぱいいっぱいだったけど何とかクリア、そのあとの面接でオレと雁之助ともう一人に合格が告げられた。
正直受かるとは思っていなかったから、聞いた瞬間狐につままれたような気分で、試験官だったターザン後藤さんから

「なんだ?イヤなのか?」

と聞かれてしまうくらいきょとんとしてしまった^^;
ちなみにこの時、GOEMONとアラケン、そして芸人の鉄拳もテストを受けていた。
世が世ならみんな同期だったかもしれないわけで、それはそれで面白かったかもね^^

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今日で怪我をして丸8年。
オレが怪我をした事で、夢を見てもらうはずのプロレスを通して、悲しい思いをさせてしまった事が悔しくて仕方ない。
だから理屈なんかどうだっていい、『想い』の持っている力を信じて、『もう一度リングに立つ』という夢に向かっていきたいと思う。

最初から『ダメで元々』でスタートしたプロレス人生だから、生きてるうちは前向いて進んでかなきゃ・・・そしてリングに戻った時に「プロレスを好きでよかった、ハヤブサを応援しててよかった。」って感じてもらえればなによりです^^
「あきらめなければ夢は終わらない」

そう言っていたのはおれ自身だからね^^
まるっきり普通だった人間がレスラーになって、さらにケガをしたオレだからこそ伝えられることってのもある。
カッコ悪くても「今できることを精一杯」やりながら、これからも一歩ずつ前に進んでいこうと思います。
だからオレはこれからもこう叫び続けるよ^^

『お楽しみは これからだ!』