プロレスラーなんだから、たまにはプロレスの話も書こうかな^^

そもそものプロレスとの出会いは小学生の頃だ。
その頃は親父の影響で野球ばっかり観てたんだけど、たまたまじいちゃんと観てたプロレス放送に登場したミル・マスカラスに衝撃を受けた。
入場テーマのジグソーの『Sky High』、キラキラと輝くマスクやコスチューム、彫刻のような身体、見たことのない身のこなし・・・小学生のオレのキャパシティーをはるかに飛び越えたそれらはあまりに現実感がなく、変身ヒーローを観ているような気分だった^^

こうやってプロレスとの出会いを果たした訳だけど、チャンネル選択権は100%親父にあったこの頃に、これ以降プロレス放送を見る機会はほとんどなかった^^;
そのせいでその後は順調?に野球少年としての日々を過ごしていたある日、日本中に一大旋風を巻き起こしたタイガーマスクに遭遇する。
四角いリングの中をまるでゴムまりのように跳ね回るタイガーマスク・・・野球部でレギュラーにさえなずに現実の厳しさを覚え始めて、”ヒーロー”ってモノに対する夢が薄れてきてたこの頃、まさにアニメの世界から現実に飛び出してきたタイガーマスクは改めてオレに夢と勇気を与えてくれた^^

今思うとそれはオレだけじゃなかったな^^
休み時間になると教室や廊下のいたるところでプロレスごっこが始まってた・・・泣いちゃうヤツやケンカになっちゃうヤツもいたけど^^
ん?オレ?・・・泣かされてばっかりだった^^;

ここでがっちりプロレスファンになったけど、小中高通して体育で5をもらったことがないくらい普通でやせっぽっちだったから、レスラーになろうと思うことは入門試験を受ける一週間前までなかった^^

紆余曲折あってFMWに入門・・・ハヤブサとしてリングに立つようになってからは一貫した思いがある。

『プロレスは大衆娯楽だ!』

要はエンターテインメントじゃなきゃいけないと思ってる。
日本のプロレスは力道山さんによって確立された。
敗戦によって希望を失っていた国民の目には、街頭テレビの中で外国人選手をなぎ倒していく力道山さんの姿はヒーローそのものに映ったに違いない。
フィクション、ノンフィクションなんか関係なく、観る者が望む世界がそこにあったからプロレスは支持されたんだと思う。

『観る者が望む世界』それ以上の物を提示するのがエンターテインメントとして目指すところ。
そこに向かう為には、会場に足を踏み入れた瞬間から世界観が変わるディズニー・リゾートやシルク・ドゥ・ソレイユのように、プロレス会場は浮世離れした空間じゃなきゃいけないんだ。
決して安くはないチケット代払って足を運んでくれるお客さんに、当たり前のものなんか観せたって仕方ない。
レスラーだって良くも悪くも普通じゃつまらないしね^^

その為にもレスラーは技術だけじゃなくて、レスラー自身が楽しんでもらおうって気持ちでリングにに立たなきゃならないんだと思う・・・と、同時にレスラー自身がプロレスを愛してないと観てる人には伝わらないと思う。
それを含めて会場の演出を楽しんでもらえれば理想的かな・・・その上で俺たちが小さい頃に見た夢を観てもらわなきゃいけないんだ。

ルールや選手の事なんか知らない、初めて観る人でも楽しめるのがプロレス。
楽しみ方だって人それぞれでいいと思う。
プロレスには他のスポーツやエンターテインメントの面白い要素がたくさん詰まってる^^
オレはプロレスラーとして胸を張って言うぞ!

『プロレスは他に比類なきジャンルだ!』

・・・みのや雅彦さんの言葉を借りました^^