「弱みを生かす」という発想の転換 | 大村あつしオフィシャルブログ「ボクは不死鳥」Powered by Ameba

「弱みを生かす」という発想の転換

「じゃぱでる」ってなに? という方は こちら をご覧ください。


世に出回っている「小説技法」なる本。

ボクも何冊か読みましたが、正直、ためになるものはありませんでした。

というか、その程度のことは無自覚にできなければ、とても小説なんか書けません。

たとえば、「起承転結」の「承」の部分では主人公の苦悩を描け、とか、当たり前ですよね?

主人公が、なんの問題も苦悩もなく、イケイケだったら誰も感情移入はできません。

主人公と一緒に苦悩するから、読者は最後にハッピーエンドで感動できるわけです。

また、悪役は賢いほど面白いって、悪役が馬鹿だったら面白いはずがありません。

断言しますが、この手の技巧書やスクールから学ぶことはないと思って間違いありません。

また、多読もあまり意味がありません。

1週間でヨーロッパ5ヵ国を回って帰国した旅行者に、「ヨーロッパとはなにか」を論じられても困りますよね。

それより、1つの国に1ヵ月滞在した人の意見の方が説得力があります。

ボクが心掛けているのは、次の2つです。

「この本は、なぜ面白かったのか? なぜ感動したのか?」
「この本は、なぜ退屈だったのか? なぜ感動できなかったのか?」

これは、本である必要はありません。

映画でもドラマでもいいので、「なぜ面白くて感動できたのか」を、納得がいくまで考え抜くのです。

極端な話、その結果、月に1冊しか本を読めなくても、深く考えずに月に10冊読むよりも成長できます。

そして、自分の強みと弱みが認識できます。

小説は、ストーリー、テーマ、人物造型、文章力など、いくつかの要素の集合体です。

そして、ボクの弱みは明らかに文章力です。

芥川受賞作品や直木賞受賞作品を読むたびに、以前は、「どうしたら自分もこんなに上手で美しい文章が書けるようになるんだろう」と思っていました。

そして、読むたびに落ち込んでいました。

でも、ストーリー展開に関しては、ボクの作品も捨てたものじゃない、という思いもありました。

実際、 『無限ループ』 なんて、胸を張って「面白い」と言えます。

ただ、ボクの弱点は文章力です。

比喩もあまり使いません。

いえ、思い付かないので使えません。

でも、「ストーリーの面白さ」は万国共通のはずです。

それなら、自分が苦手な文章力を磨くよりも、とことん面白いストーリーを考えて、それを世界の方に読んでもらおう。

そう考えました。

言うなれば、自分の「弱みを逆手に取る」発想です。

それに、海外で出版されるときには、翻訳されてしまうので、ある意味、ストーリーという骨子を除けば、それは極端な話、ボクの作品ではなくなってしまいます。

でも、それでも、世界中の人に最高のエンターテイメントを届けたかった。

実際、ハリウッド映画だって、物凄く含蓄に富んだセリフも、英語ならではのダジャレも、日本語になった時点で消滅します。

しかし、ストーリーさえ面白ければ、日本人でも感動できるのです。

いわば、その逆バージョンを目指しているのが今のボクです。

以前のブログ に書いたとおり、毎日毎日、近況報告ができるほどのスピードで進んでいるわけではありません。

しかし、ボクは着実に「じゃぱでる」に近付いていると実感しながら、毎日を過ごしています。



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