こちらに来て英語の本を読まないと…と思いながら
ついつい慣れている中国語の方の本を先に読んでしまいました。
先月日本に帰ったときに散々日本語の本を読んだので、
最近中国語の本を読んでないし…と思って北京を離れる前に一冊購入しました。
この本は2006年から3年かけて筆者が書いた小説で、
二部構成になっています。
第一部は楊百順という男性を中心とした人間関係、
そして第二部はその彼の血のつながりはないのですが
孫にあたる牛愛国を中心とした人間関係が描かれています。
読み終えて感じたのは…孤独。
つい先日まで仲の良かった友人が、ふとしたことで敵になり、
てのひらを返したかのような感じ。
作品の中にたくさん登場人物が出てきて人名を覚える私には
結構苦痛だったのですが、それでもずっと良い関係を保つことができず
主人公に対して常に孤独感を感じます。
去年、新聞を読んでいるとき、書籍のランキングで常に上位に入っていたので
中国人読者の共感を読んでいるのだと思いますが、
日本人に比べて家族、親友との絆が強そうな中国人ですが
心の奥ではこういう孤独感を抱えている人が多いのかもしれませんね。
ちなみに作者劉震雲はこの作品で初めて知ったのですが、
前紹介したドラマ「手機」の原作者でもあり、現代社会を反映した
作品を書く有名な作家だそうです。