2018年9月に、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、ラテンアメリカにある栄養や代謝を研究している学会が一斉に低栄養の基準を出しました。これって凄いことなのです![]()
それが…
GLIM Criteria
今までなかった世界規模の低栄養の基準ができたのです![]()
だって今まで低栄養の基準にされていたのはアジア人じゃなくてアメリカやヨーロッパの人だったのです。
アジア人は比較的痩せている人が多い。
そしてアジア人の高齢者にはBMIが18.5という、病気になったらかなり危険水域という危ない人が多い。
だからGLIMにはアジア人の基準がちゃんと含まれているのです。
そんなわけで今日はそのお話。
GLIM Criteriaの特徴は、低栄養の診断のためにつかうものがすでに各地域で実施されている評価表になっていて、すぐに臨床に導入が可能になっていること。
低栄養の診断はスクリーニングとassessment、診断と重症度の判定を2段階で行います。
リスクスクリーニング
SGAやMUSTなど、世界各国で使用されているスクリーニングツールを使用します。
ちなみに、ヨーロッパ臨床栄養代謝学会が推奨しているのは、家庭で生活できている方々にはMUST、入院患者さんにはNRS2002、高齢者さんではMNAを推奨しています。
アセスメント
これは現在現れている症状と病気の原因をみます。
<現在あらわれている症状>
①意図しない体重減少
・過去6カ月以内に普段より5%以上の体重が減ってしまった
・過去6ヶ月以上であっても10%以上の体重が減ってしまった
②BMIが低い(BMI:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
・70歳未満だったら20以下 70歳以上だったら22以下
・アジアでは70歳未満だったら18.5以下 70歳以上だったら20以下
③筋肉量減少
・筋肉量減少:身体組成測定(DXA、BIA、CT、MRIなどで計測)
・身体組成測定が上の方法でできなければ上腕周囲長、下腿周囲長なども使える。
・アジアでは人種による補正をする。
・握力測定などの機能評価も支持的に使うことができる。
<病因>
①食事摂取量が減る/消化吸収能力が低下する
・食事摂取量(エネルギー必要量)半分以下が1週間以上続く
または
・食事摂取量の低下が2週間以上続く
または
・慢性的な消化器症状など消化吸収障害がある
消化器症状をしっかり考慮。食べた量が減ったり、吸収機能が低下したりするのは、
症状の強さや頻度、期間に関係するので注意しなくてはいけない。
この場合は臨床的な判断よりも重症度の判定をする。
②疾患による負荷/炎症との関係
・急性疾患や外傷による炎症
重篤な感染症、熱傷、外傷、頭部外傷に関係する可能性が高い。
そのほかは軽度から中等度の炎症
・慢性疾患による炎症
悪性腫瘍、慢性閉そく性肺疾患、うっ血性心不全、慢性腎臓病などが関連する。
※炎症の判断はCRP(アルブミン、プレアルブミンなど)を支持的に使うこともできる。
診断
現在あらわれている症状
①~③の項目で1つ以上で該当
病因
①、②の項目で1つ以上に該当
低栄養
<重症度の判定>
〇中等度低栄養
・体重減少
過去6ヶ月以内で5~10%、または過去6ヶ月以上で10~20%
・BMI
70歳未満で20以下、70歳以上で22以下
・筋肉量減少
軽度から中等度の減少
〇重度低栄養
・体重減少
過去6カ月以内で10%以上、または過去6ヶ月以上で20%以上
・BMI
70歳未満で18.5以下、70歳以上で20以下
・筋肉量減少
重大な減少
低栄養と炎症に関連する病因別4分類
①慢性疾患で炎症を伴う低栄養
②急性疾患あるいは外傷による高度の炎症を伴う低栄養
③炎症はわずか、あるいは認めない慢性疾患による低栄養
④炎症はなく飢餓による低栄養(社会経済的、環境的な要因による食糧不足に起因)
これは世界的なお話ですが、今後基準になるから覚えておいたほうがいいお話でした。