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あらあらまたこんなことを?よろしくないわねえー。ちょっと成敗してあげましょうよ。

きがきではない提訴事件


埼玉県の公立小学校で、先生が生徒の両親を提訴する、という
事件が起きている。

事の発端は、女児が学校でいじめられた際の担任の対応から始
まった。


先生は女児いじめの件でクラス全員で話し合いをもったという。
ただその後も女児へのいじめは変わらず、両親からのたび重な
る訴えかけに耳をかさず(両親の言い分)、現在に至る。
その間の両親から担任への苦情(連絡帳でのクレーム)の内容
が担任の精神的苦痛を煽ったという内容である。


いわゆるモンスターペアレントであるので、そのものがもたら
したその苦への賠償責任を問うというものである。


私もすでに4年生になる子供を持つ親として興味深かった。


小学校6学年あれば、色々な先生がいる。ひと学年のクラス数
が多ければなおさらだ。


私の子供が通っている小学校でも父母(特に母親)から嫌われ
やすい先生はいる。


うちの子供も新しい学年になった時に、担任が変わり、ある母
親から「運が悪かったね」といったようなことを言われたこと
を覚えている。
その母親はその担任をよく思っていないのだ。
特にうちの家庭内では好評の先生だったので、そのようなこと
を言われてもなんともなかったが。


色々な人がいれば好き嫌いくらいは誰にでもあるだろう。

ただ、今回の問題点は「先生が父兄を訴えている」という点で
ある。
単なる好き嫌いではすまされない問題である。


例えば、子供が学校で先生に殴られてケガをし、その医療費が
かかったので賠償責任を問う、というのであれば分からなくは
ない。

物理的に医療費がかかったのであるから。

ただ、その場合でもすぐには裁判は起こさないだろう。
話し合いを行い、示談ですまされるのが大方の流れである。
すぐに裁判が起きない理由のひとつに、学校の関与がある。
そのような事件で学校のイメージを悪くしたくない、という配
慮からである。


今回のような場合は「何に対しての賠償なのか」、ということ
から掘り起こさなければならない。
裁判においては今後、そのような調査がすすむだろう。


両親が学校へ来て物を壊したわけではない、また暴力を奮って
ケガをさせたわけではない。
本来であれば話し合いですませる内容である。


あるTV番組で出演者が
「裁判では”モンスターペアレント”の定義が問題になると思
います」
と言っていた。

真面目な顔で言っていたので、吹き出してしまった。

”悪ガキ”や”不良”の定義をあれこれ考えているのと同じであ
る。


このような裁判での論点は、子供の両親の訴えが、先生の仕

事や生活、精神をどれくらい脅かすものであったかどうかである。

両親の行動が賠償に当たるかどうかはそこしかない。

ただ、裁判ともなればそこに視点を移す前に、先生がそれを回
避する行動をしたかどうかを細かく調べなければならない。


先生といえど、給料をもらってやっている仕事である。
仕事であるという以上、色々な対応に気を配らなければならな
い。
クレーム処理もその一つのはずである。

提訴する前に、どれだけの話し合いをもったのだろうか。
両親が納得できるようにどれくらいの説明をしたのだろうか。
先生主導でどれくらいの話し合いを持ったのか、というところ
が今回の裁判の分かれ目となるだろう。

そして、提訴以外の方法はなかったのだろうか、という点もポイ
ントである。


また、提訴する際は、学校の責任者である校長には相談したので
あろうか、ということである。

インターネットで記事を見ると学校側はコメントを控えている。


決して、子供の両親の肩を持つわけではない。

この先生の訴え通り、度の行き過ぎた苦情だったのかもしれない。


ただ、提訴の前にすべきことがまだあったはずだ。


担任替え、クラス替えもそう簡単にはできるものではない、とい
うことは十分分かるが、そのような方法を試してからでも遅くは
なかったのではないだろうか。

子供の両親は担任替えを希望しているのである。


ただ一般人には学校側がコメントを控えている以上、真相は伝わ
ってこない。


私は子供の学校の参観日には必ず顔をだすし、仕事柄、夕方子供
が帰ってくる時間には家にいて、遊びに来た友達などを監視?し
ている。
学校での子供の生活ぶりも子供から毎日きいている。
先生が何と言ったかもきいている。


このような事件を見ると、いつか自分もモンスターペアレントと
して訴えられるのではないか、ときがきではないのだ。