数年前、畳替えをしました。畳屋さんというのは職人という名がぴったりですねえ。そのお爺さんはすっかり背中が曲がっていました。もくもくと、手際よく仕事をなされました。見ていて感心しました。
仕事が全部終わって、外に出た時、大きく背伸びをされました。背中、グイっとのびました。
仕事終ふる畳職人おもむろに諸手を挙げて海老ぞりになる 神田民司
NHK短歌9月号河野里子選
もう半世紀近い前、私は大阪で小学校の講師をしていました。そのころ、土曜日の午前は授業がありました。子どもたちが帰ったら、近くの中華料理店で先輩教師と連れだって昼食に行ったものでした。未だにその時の光景を思い出します。
半ドンの授業を終えて先輩とチャーハン喰いつつ生徒を語る 神田民司
NHK 短歌9月号山崎聡子選
二つも掲載されるなんて。これからも精進します。