昔、神経症だった時、心ある年配のドクターから「走りなさい」と言われた。この方のことばだから、素直に従った。確かに、頭を使うのでなく体を使うという点で神経症にはいいと思う。それで35歳から始めたジョギング、市民マラソンにも何回となく参加、21キロの犬山ハーフマラソンに2回出場したが、フルマラソンまでに至らなかった。ハーフを2回だから「フル」というわけにいかない。中途半端だなあ。
取柄も得手もない教員だった私、40歳になって、マジックを習い始めた。それが、仕事以上に打ち込むようになって、手品、マジックのイベントと聞けば、名古屋、岐阜まで行ったものだ。コンテストに一度出てみたいものだと思ったこともあったが、推薦する声も聞かず、またそんな勇気もないので、これも実践できていない。行くところまで行くのだけれど、中途半端だなあ。
コロナでマジックの依頼が無く、所在ないまま、ふと短歌作りを始めたが、言葉を知らないことがよくわかって、古希を越えて、近所の俳句の会に入会した。入会の意図からして中途半端だ。俳句の先生は「年取ってからやる俳句、有名な俳人になるのではないから、楽しんで作りましょう」とおっしゃる。でも、句会ではなかなか厳しい。
風鈴という題で句を造れという宿題を昨日聞いて、26日の句会に持参せよとのこと。風鈴なんてこのごろ聞いたことがない。むずかしい題だ。けれど、頭をひねって浮かぶまま詠んだ。
風鈴が庇に残る空き家かな
風鈴はこの一軒のこの通り
風鈴を売るかのごとき観音寺
今むかし風鈴売りを見たやうな
鈴の音それとも風の叫びかや
風鈴を騒音と言ひ過ぎる人
これが俳句かどうか自分でわかりません。叙景ができません。教えてください、26日に持っていくならどれがいいでしょう。強いて選ぶとすればどれでしょう。