先日、NHKラジオで辻井伸行さんのお母さんの講演を聞きました。 辻井さんは目の不自由なピアニストです。 生まれつき光を感じない子どもでした。 その人ががなぜあのようにピアノが弾けるのか私は不思議でなりません。
天性もあるでしょうが、お母さんの子育ても大きく影響しているでしょう。 楽しそうにすること、やりたいと思うことは少しの危険があっても積極的にやらせたとてものびやかなおかあさんの教育、子育てに感動しました。 スキーもスケートもやりたいと言ったらやらせたというお母さん、そして経験して楽しかったと喜ぶ伸行さん。 辻井さんはピアノだけやっていたのではありません。
私が小学3年生の担任をしていたとき、スパルタ教育ママに出会いました。 宿題よりも先にお母さんが用意したプリントを時間通りやらせます。 そばについて、有無を言わせずやらせます。 子どもはおとなしく従っています。
確かに勉強はできます。 礼儀正しいおとなしいいい子です。 でも私はこれではいけない。 いい子過ぎて大きくなった時やっていけなくなるのではないか、じぶんのきもちを出せなくなるのでないか、心配でした。
そんなことをお母さんにお話ししました。 すると翌日、抗議の手紙が私に来ました。 (先生は何もわかっていない、今は入院してここで勉強していますが、地元の学校ではもっとみな勉強しています。 レベルが違うんです。 このままではこの子がかわいそうです)と。
私は、それは違うと今でも思っています。 3年生の時やるべきたのしみを経験しないで、勉強漬けにすることがこの子のためになっているのでしょうか。
あの子とお母さん、もう成人して社会人でしょう。 ちょっと気がかりです。
コロナ禍の中でマジックをする機会はうんと減りました。 でも私たちには、子育て支援グループなどから未だマジックの依頼があります。 ありがたいことです。
12月8日、子育て支援「ぴよぴよ」の皆さんにピエロさんと一緒にマジックショーを行いました。 45分たっぷりと。 0歳から3歳までの子どもたち、ほんとによく見てくれました。 赤ちゃんマジックショーができることは幸せです。
子育ては創造活動です。 苦しんでやるものではありません。