パラパラとイソップ物語を開いて読みました。こんな話があります。

 

昔、神様が人間をお作りになるとき、二つの背負い袋を持たせました。肩から振り分けにして、前に他人の悪い心の袋、後ろに自分の悪い心の袋を身につけさせました。いつも胸には他人の悪い心がぶらぶらしています。自分の悪い心は背中にありますから、見えません。それで、人間どもは他人の悪いところはよく見えるのですが、自分の悪いところは遠くからでも見えなくなったのです。

この話は、自分とは関係ない人にいらぬおせっかいをする人に当てはまります。

 

昔、獣たちが集まって宴会を開きました。飲めや歌えの大騒ぎ。サルが飛び入りで踊りを披露しました。これがなかなか面白く、美しく、皆に賞賛を受けました。ラクダはうらやましくなって、自分も皆からほめられたいと思いました。ところが、奇妙な踊りだったものですから、獣たちは皆、腹を立てました。ラクダは皆からこん棒でぶたれてしまいました。

この話は嫉妬のために自分より優れた人と競争してもいい結果は生まれないことを教えています。

 

イソップ物語は2000年以上前に書かれたといいます。今にも通用する示唆に富んだお話集です。

 

そこで、私も、勝手な新々イソップ物語を作りました。

 

あるとき、二人の高齢の女性にお話を聞きました。あなたの人生で、どん底と絶頂はいつですかと。Aさんは、「苦労なんて全然なかったわ、でも一つだけ、息子が中学と高校で不登校になったとき、苦しかった。一緒に死のうかと思ったわ」と言われました。高校は中退です。でも、息子さん、独学で勉強して、大学受験資格を取り、私立大学に入りました。「今は東京の出版社に勤めて、子どももできたわ」と幸せそうに語られました。この話は、今、不登校で心配されている親御さんに適切です。

 

もう一人の女性Bさんはご主人が事業をされていました。ご主人がある人の保証人になったのですが、その人の負債をご主人が受けることになったのです。取り立てに追われました。まだ子供が小さい時です。子どもは実家に預けて、おふたり、深夜、夜逃げをされました。また、Bさん夫婦は数年前、交通事故に遭われました。お二人とも、長い間入院されました。でも、「交通事故は全然。集団で取り立てに来る時のことを考えたら・・・」と言われます。今、お二人はとても仲よくいつも一緒におられます。

このことは、夫婦の愛の力は不幸を遠ざけるということを教えています。

 

散歩道にこんなところがあるのを幸せに思います。