岡崎滝山寺仁王門のもみじがすっかり色づき、一気に秋が深まり、本格的な冬に向かっています。
12月1日、フクちゃんと私、常磐小学校のふれあいデーに手品体験講座の講師として参
加しました。
今回は3年生21人に簡単なマジックを三つ教えました。ヘアバンドマジック、ひもマジ
ック、割りばしマジックです。いずれもトリックらしいものはなく、教えられた通りに
やれば誰でもできるものです。
私は普通、種明かしをしません。種明かしをするときは完全にマスターすることを前提
に教えます。だから、この講座のように種明かしを目的にするときは進んで、種明かし
をします。
さて、教室には子どもたち21人と保護者の皆さんが参加しています。
一斉指導ではなく、グループ学習の形式をとります。あるグループの子どもたちにヘア
バンドマジックを教えたら、それをほかのグループの子に子どもたちが教えます。子ど
もが先生になります。この方法が最も効率よく、また子どもたちが生き生きと活動しま
す。
私はそれぞれのマジックを簡潔に一つの方法だけ教えました。ヘアバンドの飛行は指か
ら指へ移るマジックですが、知らない人には新鮮な驚きです。
ひもマジックはひもの入れ替わりですが、これも、ひもを一本、引き下ろすだけで入れ
替わりが成立するマジックで、簡単明瞭な面白いマジックです。
唯一、割りばしマジックだけ輪ゴムを使ったトリックマジックですが、手の力を緩める
だけで、割りばしが電気を帯びたように浮き上がるというマジックです。
手品は簡単そうに見えて、実際やってみると難しいものです。小学3年生に無理かなあ
と思っていましたが、なんのなんの、習得の速いこと、私が伝授した子たちは、さっそ
く教室の子どもたちに得意になって教えていました。
一通り、練習してから、みんなに発表してもらいました。皆の前で一つの手品をすると
きは、「礼に始まり礼に終わる」、必ず礼をして礼で終わるように言いました。
私は驚きました。皆上手にできました。それどころか、私が教えた以上のことを工夫し
てやるのです。
ヘアバンドでは連続で指から指へ移動しますし、ひもマジックではひもを下ろすのでな
く引き上げて成功させるし、電気割りばしは割りばしを袖に引き入れて割ばしを消失さ
せるし、まあ、その表現の多彩なこと、思いもよらない新しい発見、舌を巻くとはこの
ことでした。
私は楽をして教えました。教えられもしました。子ども中心の、子どもによる子どもの
ための指導ができました。サポートのフクちゃんの話では、子どもたち皆、三つの手品
マスターしたようです。
帰り、滝山寺仁王門の前を歩きながら、子どもたちのいっぱいの笑顔に出会え、いい一
日を過ごせたことを二人、喜び合いました。