※フェースブック 2016.2.29 に投稿した。

 

【日本で社会科学が不振な理由】

中根千枝「タテ社会の人間関係/単一社会の理論」(講談社現代新書、1967年)

を読み終えた。

1日あれば読めます。難しいテーマですが、譬えがうまくわかりやすい。

たしか、若いころにも手に取った記憶がありますが、今回読んで思い当たる節が多かった。

英語訳をはじめ世界各国で読まれているという。

レヴィ・ストロースの読書会で話題になって読み始めたのです。

日本社会の集団としての説明に挑んでいます。

その「場」に長くいることに価値がある社会。20年で公務員社会を去り、鹿児島での生活が10年の私には実感をもって受け止められます。

感情と人間関係を重視する社会。筆者の海外体験に基づいています。

最近では、スポーツや芸能での日本人の活躍が目覚ましい。自然科学でもノーベル賞が相次いだ。他方で、宗教・思想・政治・社会科学が発達しなかった理由がわかります。

江戸時代に支配の構図が見事だった理由も納得です。

人口減少という未曽有の事態にもこの特性は揺るがないのか?