※フェースブック 2022.2.28 に投稿したもの。

 

【「小国」主義】

これは、スウェーデン厚生省の会議室で

私が日本の介護政策に関してプレゼンしているところです。

会議室は大臣室の隣にあった。

1996年ごろ、私は55歳だった。大学教員になった10年ほど経っていた。

聞いている人は北欧諸国の介護政策関係の行政・研究者たちです。

日本からは、

当時厚生省で介護保険の創設にかかわった山崎史郎氏

が介護保険創設の経緯と内容をプレゼンした。

(山崎さんは、先日内閣官房参与に任命された)

山崎さんのテーマがホットで本格的なものでしたから、

私はその「前座」として、日本の介護政策・社会政策の歴史と特色といった話をしました。

そのとき、引用したのが明治初年の岩倉具視らの遣欧使節調査団の報告です。

一行は、デンマーク・スウェーデンも訪問していたのです

(報告書第4編)。

当時のスウェーデンの街並みのスケッチなどもあったので、

「日本は明治の頃も北欧に学んだ」というトーンで

日本が北欧に学ぶ意義をプレゼンしたのです。

長く公的な医療保険すらなかったアメリカ、国営医療サービスのイギリスなどとは基盤が違うというスタンスだった。

国の規模は北欧各国とは違いますが、アメリカ・中国・ロシアなどの国々とはおのずと違い、社会的な分野での充実という「小国主義」も捨てがたい。