※フェースブック 2013.11.4 (10年前の今日)投稿していた。

 

鹿児島大学中央図書館へ行き、かねて読もうとしていた原口虎雄先生(故人。鹿児島大学名誉教授)の外城制度に関する論文を探しに行った。

あらかじめ「法制史研究」36巻(1986年)というのは知っていたので、地階の書庫へ行き、館外貸し出しはできないので、1階に戻り、コピーした。77-142ページですが、2ページを開いて撮ったので35枚、350円を機械に払った。

 

写真(左側)は、その冒頭のページ(77ページ)で、タイトルにあるように、

「薩摩藩外城制度の成立と元和の一国一城令」という専門的な論文です。

 

動機としては、家内の実家の「日高家」と言うものが、17世紀、島津藩の人事で肝付町(旧高山町)へ赴任してきた経緯を知ろうと言うものです。

すでに「高山郷土誌」や秀村選三先生(九州大学名誉教授。高山麓の研究で学士院賞恩賜賞を受賞されている)の著作を上回る記述はない・・というか、1986年と言う時点を考えれば、「外城制度」に関する多くの文献は、この原口先生の遺稿(この原稿の校正は、先生ご自身でされなかった)によっていることがわかります。

 

「外城」・・天守閣のある城はないが、各地域に島津藩の家臣団を派遣し、旧支配層との妥協・和合をはかりつつ支配したシステムの概要を明らかにしています。ページ数的には、出水の方など薩摩半島に関する部分が多い。

 

冒頭で、幕末に鹿児島が大きな役割を果たした要因として、この「外城」と、琉球支配をあげ、後者については、別稿に譲るとされていますp78。論文の副題に(一)とあるゆえんです。