※フェースブック 2022.9.27 に投稿した。

 

山崎正和「対談天皇日本史」

(文春学芸ライブラリー、2015)

では、

天智・宇多・後白河‣後醍醐・後小松・正親

後水尾・明治・昭和

の9人の天皇を取り上げて

その時代の特色を追っている。

 

最終章:作家の小松左京との対談p227-260が

まとめになっている。

イギリス王政に関して「権威と権力の分離」と論じられてきた

ように、天皇の役割は、

その都度変わる政治的権力とは別にずっと変わらず社会の

中心として座っていることだ。

 

社会組織を見ると、会社の会長・社長と、実務を行うスタッフとの関係などにも、この「権威と権力の分離」がみられるという。

 

天皇に関して私の世代で念頭にあるのは、

「天皇の戦争責任」ですね。戦争の開始も終結も天皇を介して

行われた。同盟を結んだドイツとイタリア。

イタリアではムッソリーニは公衆の面前で殺された。

ヒトラーは、それを恐れて自殺した。

天皇は、東京裁判で被告とはならないで、首相だった東條以下は

絞首刑になった。

 

マッカーサーは、戦後の統治に天皇が必要との判断でいはば

「利用」したといわれる。

 

「天皇陛下万歳!」と叫んで死んでいった兵士たち、

最高責任者が生き残ったことで「一億総無責任」になってしまった。

仮に天皇が廃止されたとして、内閣総理大臣に替わる国家元首としては

ドイツのように、政治的なプロセスで政治家から大統領を選ぶのだろうか?

 

※本書については、ブログ第1392話(2021年4月)で書いています。

なお、「天皇」のカテゴリで24の記事を書いていますので

ご参照ください。