清水克行「足利尊氏と関東」
吉川弘文館「人とあるく」シリーズ、2013年刊。
著者の清水克行は、1971年生まれ、明治大学准教授。
本書は、3部構成で
第Ⅰ部 足利尊氏の履歴書
第Ⅱ部 歴代足利一族をめぐる伝説と史実
第Ⅲ部 足利・鎌倉の故地を歩く
となっていて、この第Ⅲ部が本書の特色です(観光案内)。
このうち、序文に相当する「転換する尊氏像」及び第Ⅰ部から
主要な個所(文章・キーワード)をメモします。P7-93
冒頭の数字は、該当のページです。
9 吉川英治の私本太平記1958年とNHK大河ドラマ「太平記」1991年
23 1317年、兄高義が21歳で亡くなる。(尊氏13歳)
32 1333年。3月に後醍醐討伐に出陣、5月に六波羅探題攻略。
35 正室登子は、北条氏の出身。
44 (尊氏は)生死に対する執着が希薄だった。
49 『梅松論』『難太平記』は、「足利神話」寄りの記述が目立つ。
66 尊氏は幕府のシンボルとして君臨しつつも、直義(弟)が
実質上、政務・軍事全般を代行しているような状況にあった。
82 1352年直義の死。尊氏が実の弟に手を下したのではないか。
93 いそじまでまよひにけるはかなさよ ただかりそめの草のいほりに
本書は、旅案内の本ですが、脚注・図版や写真・参考文献・年表がよく整備されていて読みやすかった。
鶴丸城址の御楼門。23日。