古代史で習う「白村江の戦い」663年を百済の王子と日本の各勢力

との関連で説いています。2017年に刊行され、2020年に文庫化。

著者の荒川徹という人が富山県高岡市の出身ということで手に取って

見た。亡き母の郷里です。

 

 

並行して、同じ時期に安部龍太郎「迷宮の月」2020年を読んでいた。

7世紀末から8世紀にかけての物語。則天武后が支配していた中国と

上記の白村江の戦以降途絶えていた日中国交回復を意図した日本

の特使粟田真人を主人公とする。

 

この2冊をほぼ同時に読んだ直接のきっかけは、最近、鹿児島の

輪読会仲間と天皇制を学び始めていて、古代の天皇が抱えるテーマに

韓半島・中国大陸との外交問題があることを知ったためです。

政治史専攻の著者が書いた「歴代天皇総覧」2001年から主だった

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韓半島は、高句麗・新羅・百済などが入り乱れていて基礎的な理解が

ないので、金両基の「物語韓国史」1989年を併読しています。

山川出版社の各国史から「朝鮮史」を見てみたが難しくて今の私には

無理と思った。

 

 

中国大陸との関係を書いたものに「律令国家と隋唐文明」がある。

この本は、買ったままだったので改めて紐解いています。2020年2月。

 

 

現在の日本は、軍事的にはアメリカの傘の中にあって、普段は

東アジアの外交を考えるのは玄人筋だけですが、

幕末の・・攘夷か開国か

戦後の・・全面講和かサンフランシスコ講和か

1960年安保条約改定をめぐる国論の分裂

などを受けて古代の支配層が真剣に試行錯誤した重さを知ります。