「建国神話の社会史」(中公選書 102)が刊行された。

 

私は、最近鹿児島の友人たちと「古事記」を輪読しています。平易な現代語訳ですが、そこには現在における生活とはさほど違わない人間像に遭遇し、また、昨日の輪読会でも「笠沙」とか「隼人」といった鹿児島に現在もある地名もでてきてこれまで読む機会もなかっただけに面白い。

 

他方では、いわゆる「皇国史観」のもとで先の戦争が遂行され、そして敗戦したこと、戦後私たちが学校で受けてきた教育は、古事記などの世界を否定したかのようなものでした。

 

輪読会では、古事記は「古代のゴシップ集」なのだと喝破する人もいて納得しています。最近は、さまざまな訳や漫画なども多く書店に出ています。考古学的な古代の研究も進んできた。

 

本書は、歴史の専門家が、古代史を社会がどう受けとめてきたかを文献に基づきながら説いています。

 

以下は、ネットからコピーした目次です。

 

序 章 虚偽と史実の境界

第一章 神話が事実となるまで
第二章 「事実」化の波紋
第三章 建国祭と万国博覧会
第四章 満州事変の影響は?
第五章 日中戦争期の社会と建国神話
第六章 太平洋戦争期とその後
終章 「建国神話の社会史」の旅を終えて