作者郷原建樹は、鹿児島県で福祉事業を経営している。1941年生まれだから私と同い年。
前作については、本ブログで紹介した(第400話。2019年12月28日)
本書は、タイトルにある通り、伊牟田尚平1832-1869が主人公です。
前半では清河八郎
後半では、大久保利通、小松帯刀、島津久光が中心になる。
このほか、西郷隆盛、山岡鉄太郎などが出てきます。
著者は、現代の混迷は自分中心の生き方にあるという。(P176)
そこから幕末の歴史を追う意味があるとする。
人を動かすのは、カネや地位や知識ではなく、「思い」の強さだという。(p179)
幕末維新に関しては、2018年の大河ドラマ「せごどん」をはじめ、さまざまな小説や映像がある。本書は、伊牟田尚平の役割を基軸にしたもう一つの幕末史です。
16世紀の島津義弘(p333)や
幕末の調所笑左エ門(p341)、是枝柳右衛門
なども登場します。