池波正太郎19231990については、鬼平犯科帳や剣客商売などテレビでおなじみの小説を全巻読みました。

 

今日本屋で買ったのは、

「男の系譜」(新潮文庫)で、これは文字通り「語り下ろし」です。

話し言葉で歴史上の人物16人について語っています。

 

その最後が、西郷隆盛p521540です。

西郷について池波はすでに1冊書いていますが、この語り下ろしは、凝縮された西郷論で彼の特色を良く語っています。

 

政治家や軍人ではなく、教育者であり詩人だという。

征韓論や西南戦争のことなども納得です。

 

大久保との対比では、政治家としての大久保を評価していてその説明が良き理解できた。

鹿児島の西郷ファンには受け入れられないでしょうが。

 

西郷が女性を愛したという件が印象に残りました。

 

タイトルの「ただ、天でごわすよ」は、西南戦争の端緒となった私学校による攻撃を聞いて叫んだという。P536

 

昨年は大河ドラマのせいで鹿児島は大変な西郷ブームでしたが、現在でも、根強い西郷ファンによる月命日の24日の清掃などのイベントが続いています。

 

かくいう私も、若い人たちと「英語で読む西郷」という輪読会を続けています。

→「Saigo in English」のカテゴリ参照ください。