陽明学者安岡正篤1898-1983の孫安岡定子1960-

が祖父について書いたエッセイ集です。

 

1988年に刊行されて2010年に新版として刊行された。

古本屋でたまたま見つけました。PHP研究所刊。

 

安岡のことは、2018年度後期に鹿児島大学で聴講(社会人講座)した

「陽明学入門」でその高い評価を聞いていました。いくつかの著作を図書館で借りて読んだ。

 

著者安岡定子については、子供向けの論語入門を友人から借りて読んでいました。

 

本書では、祖父である学者を孫の視点で思い出しています。

平明なことばで安岡正篤の人柄を書いていて読みやすい。重複した箇所もあり

一気に読まずに空いた時間に少しずつ読みました。

 

印象に残った個所をメモします。各行の冒頭は、ページ数です。

 

28 山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し(王陽明の言葉を引用)

103 (年を取ると)料理はやっぱり家が一番だねぇ

105 知識、見識、胆識の3つが必要だ。胆識ある人は少ない。

109 明治以降の教育の失敗‥しつけの部分をないがしろにしたこと

131 机の周りの整理が独特だった

154 頭が良いということより、情緒が良いということが大事

158 (旧制)一高は一番で合格した。

 

私は、祖父と暮らしたことがないし、孫がいないので、ここで書かれている「祖父・孫」の関係は経験していませんが、研究面では厳しい祖父が、家庭では物静かで優しかったことがよく伝わります。