父が入院して随分たったような気がします
でも、まだ3ヶ月たってない

入院してから1ヶ月近くの隔離病棟での時間は、父から沢山のものを奪い去った時間となりました

歩くこと
食べること
話すこと
笑うこと

父は縛られることはなくなりました
強い薬も使われなくなりました

でも失ったものの多くは戻って来ないままです

7月の初め、父を見舞いに行った母が暗い声で電話して来ました

看護師さんから、父が流動食や栄養補助ドリンクを全然飲まないので、このままでは弱る一方だと言われたのだそう
自分が前にいたもっと大きな病院では、こういう患者さんは胃ろうにする
ここでは鼻からチューブを入れるしか無い
そうなったらまた隔離病棟になり、チューブをぬいてしまわないように拘束もされるだろう
それより胃ろうにできる病院に転院するか、処置だけしてここに戻れるか、一度先生に相談してみたらどうか、と言われたのだそう

弟とは、お腹を切るような痛い思いをさせたくはないけど、でも、どうしよう…と話していると…

私は、あの隔離病棟にだけは戻したくなかった
薬で朦朧とさせられ手足を縛られていた、あの状態より、胃ろうの方が良いのかもしれないと思った

ただ、たった1人の看護師さんの意見を聞いただけで全てを決めないで、先生や他の看護師さんに実際のところどういう状態なのかを相談してから改めて家族で話し合おうと母を説得した

翌日、父のところへ水羊羹をお土産に持って行ってみた
はじめは美味しいと言いながら食べていたが、看護師さんが来て、喉も乾くだろうからコレも一緒に飲ませて!と栄養補助ドリンクを差し出された途端に口を閉じ目も閉じてしまった

毎回毎回、飲め!飲め!って言われるのウンザリなんだな(^^)
わかるよパパ

そう言うと、無表情ながら頷く

そこへ、若い頃の父を知る看護師さんがやって来て、お母さんが先生に面会のお願いしたみたいなんだけど、どう言う内容のお話か聞いている?と言う

私は昨日聞いた話をした

すると、あー、やっぱりその話か
その話かもねって話してたのよ、と言う

実際どうなんでしょう?
全然たべないんですか?
私は、また拘束されるのは辛いです
だから胃ろうの選択肢もあるのかな、と思ったんですが…母はどうしたらいいのか分からず悩んでるようです

と話して見た

すると、私の期待を裏切るように
胃ろうにしても、胃ろうのチューブを抜いたら大変だから、やっぱり拘束はすることになると思う
と言われた

私の落胆を見て取ったように彼女は続けた
今は、よく食べてくれる時もあるのよ
時間はかかるけど、でもちゃんと食べてくれる
ただ、だめな時はガンとして食べないの
だから栄養状態が足りてるとは言えないの
お母さんの持って来てくれる、ウィダーインゼリーみたいなのはよく飲むのよ
あれ飲みやすいのね、きっと
だからね、ちゃんと時間かけてなるべく食べさせるから急がなくて良いのよ
最後に決めるのはご家族だから

そう言われた

ぜんぜん食べないわけじゃ無かった

ホッとした
ホントに

いつか決断しなきゃいけない日も来るのだろう
でも今じゃない


看護師や医師の一言は大きい
患者や家族にとって、時には絶対の力を持った言葉に感じる

でも、やはり一人一人、考え方は違うのだと

改めて思い知る

落ち着いて、よく調べ、よく聞いて、納得して
そして前に進む

自分自身に言い聞かせていても
毎回、慌てて右往左往する

パパ
頼りない娘でゴメン