今から10年ほど前の出来事だ
当時勤務していた工場のメンテナンス部門の
職人気質の先輩で
当時70歳目前のMさんとは
気が合った
時に「あまり飲めないでも、雰囲気がいいんで、スナックにも
いくよ」と誘われて、
何年ぶりに
一緒に出掛けた
飲み進み
カウンターに陣取り
話を聞くうちに
「おれはなあ。独身やし。身内も兄弟だけやから。
もう、自分のお墓も買って、建てたし。葬式もすんでいる。
財産も全部兄弟に分けてあるんや。
趣味も ジムに通っているだけやし。」
なんと 人生の就活完璧な人でした。
つまり、お金にはまったく困っていない人物でした。
聞き進むうちに
「おれはなあ。一度死にかけたことがある。それがなあ・・・・」
と 耳を疑うお話はそこから。
「おれは、神も信仰も、そういったものは信じないけど
時々に不思議なもんを見る。」
「???どういった」
「名古屋に出かけた時のことや。電車のホームで、次の電車を
待つとったら。目の前のワンピースの若い女性がいきなり
靴を脱いで、揃えたんや。その瞬間にあかんと
思わず 後ろから 掴んで。止めたんよ。
もう電車がホームに来る直前だったわ。」
その後、駅員が来て、気絶していたその女性を頼んだ。
(たぶん、自殺しようとでも)
その後、その女性は介抱されたが、別の駅で、飛び込んだようで
翌日の新聞で見たそうで。
(結局 亡くなったようでした)
「そんなことがあった後に、出張で高速道路をトラックで荷物
運搬して走行中に、疲れがでて、つい、居眠りしたんやわ。
中央分離帯の壁がもう直前という瞬間に
フロントガラスの向こうから
思わず、女性の手が 頬にビンタをくらわしてきて
(死んだらあかん)と殴られて。
目が覚めた。
その瞬間にトラックがもとの車線にもどったということで
無事故だったんやわ。」
「もし、あの時 殴られんかったら、完全におれは死んでいた」
と。。。
あまりの衝撃的な話にいっぺんに 酔いはさめていた。
「まあ。俺は飲むのをやめたから ボトルはキープしておいて
好きにしておいてくれ」と
人間の生きざまと 仏教でいう徳を積むとは
そんな人のことなんだろうなあと
感慨がある