海と慟哭
死貌を見つめている私はまだぼんやりしていました。
突然襲うように潮が寄せてきました。
何かが突き上げてきて大声で泣いてしまいました。
哀しいのではない。
それなのに突上げて来る号泣。
止めようにも止めることの出来ない声。
私は泣きました。大声を上げて泣いていたのです。
どの位ほど経ったか、何分間かあるいは何時間かわかりません。いつの間にか号泣は去り私は泣き止んでいました。
そこには海がありました。
広やかな海面が広がっていました。藍色の海、縞をなして流れる波。
藍色の縞に桃色の縞が重なり、その上に金波が跳り、たゆとう海。
そして見遥かす彼方からこちらへ向かって立っている巨石。
たゆたいつつ流れ寄る石。
それはあの太古の石でした。
こよなく馴れ親しんで共に暮した石。
父の石。太古の石。