古里物語第四部2−1 | ryobeのブログ

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権現様と谷夫人
 
「私権現様にお詣りしたいんだけど」

「そうかぢゃ今日は墓参りと権現様だ。」車はゆっくりと走る。にゅっと天を指している山、頂上には、鷹の子権現をお祭りした社があると云う。

山は濃い緑に覆われている、あんな高い山の上に神社があるとは、昔昔の人の思いつきに驚く、丸山弁天が過ぎて行く。

森の中の大宮神社、副田校から一里余りの道を全校生徒毎年お詣りした日。

髪を呼ぶ警蹕(けいひつ)の声は今も耳に新しい。入来(いりき)の神楽は古い時代の姿、形を伝へている云う。

オーオーオーーーーーーーーと一条の線のように天に昇る神主(ホイドン、またはホイサン)の声、そのけいひつは歌の極致であると云った人がある。

澄み切った空に高天原に居くかと見える力強い一条の線。

前に車なく後ろにも車なく何と爽やかな道、ツイボのところの杉木立も昔のまま、右に流れる小さな川で、もぐってシジミを取った日、この水の冷たかったこと。

駅を過ぎ町を過ぎ亀の湯、上等湯と湯の里入来温泉。

権現様の石段の下に着きました。

この長い道を戦后幾年間を兄は和牛を使って往復していたものです。

その段段を上がって行くと境内