急ぐ季節、置いて行かれないように | ふるさと干溝

ふるさと干溝

路傍の風景、四季の風。豪雪の里から路傍の草花や雪の里山など、四季折々の風景を綴ります。ブログの説明を入力します。

2022年5月12日(木)晴

 

里の山は今が盛りです

 里の山は急に残雪が無くなって来まして、早い所の緑は既にたくましく、そして待ちかねた花たちは盛りになって来ました。そして山菜や、尾根を飛び回る蝶達と、季節は相変わらず急ぎ足で駆け抜けて行きます。

 

 晴れの日が何日か続きましたので、山の風景もがらりと変わって行きます。今日は天気が崩れる前の晴天、尾根を吹く涼しい風の誘い、山菜の便りにじっとしてはおられません。

 

いつもの里山詣で

 朝から涼しく爽やかな良い天気です。ゆっくりと支度をして、山に向かいます。足元にシオデやワラビなどの山菜が見られますが今日の目当てはこれらではありません、始まったばかりのネマガリの様子を見ることです。勿論良いものがあれば臨機応変にこれらも採りますが、今日行く場所はワラビやシオデなどの場所ではありません。

 

 歩き始めると、標高の低いこの辺りではずっと楽しませてくれたタムシバなどの早春の花はほとんど終わってしまったようです。

 

 

 歩き始めて数分すると後方から若いお嬢さん方お二人が私に追いついて来まして、元気なお二人さんは私を追い越すと快適に進んでいきました。

 

 日ごとに逞しさを増してくる新緑の中、時折吹いてくる爽やかな風に後押しをされながら標高を稼いで行きます。

 先日まで賑やかだったタ白い花、タムシバやオオカメノキはほとんど終わりまして、今日はアオダモやアズキナシが目立つようになりました。

アオダモの白い花

 

 アオダモの白いふわっとした感じの白い花をカメラに収めて、少し進むとアズキナシの白い花が目立つようになりました。アズキナシは名前の如く秋に小さい小豆粒の様な実を付けます。

アズキナシの白い花もなかなかです

 

 登り始めて45分、大力山あずま屋に着きました。私を追い抜いて行ったお二人さんは見られず、男性二人が休憩中でした。私は山ノートに記入して、すぐ先に進みました。

 そろそろ始まったネマガリなど見られないかと思い、歩きながら路傍の左右を見ながら歩きましたが、今年は雪解けが遅かった所為で、ネマガリは少し時期が早いようです。

 それでも何とか採取に適したサイズの物を幾本か採りました。

 

 その後は遊歩道の邪魔になっている張り出した木の枝を手鋸で落としながら歩きます。

 

 

徒然なるさとやまブラリは黒禿の頭まででした

 ぶらりぶらりと歩いて結局今日は黒禿の頭まで来てしまいました。つい先日来た時に残っていた途中の雪も殆ど見られなくなって、ここ数日の雪解けの速さにはびっくりです。

 

 では、途中で出会った花などを紹介します。

 

ユキグニミツバツツジ(雪国三つ葉躑躅)

 クラツツジ(嵓躑躅)と呼ぶ地方も在るようで崖上の所で目立つツツジです。春早くから楽しませてくれたユキグニミツバツツジですが、もう殆ど終わりに近くなりました。

ユキグニミツバツツジ

         

    ユキグニミツバツツジ蕾と花

 

ヤマツツジ(山躑躅)

 ヤマツツジはミツバツツジより少し遅れて咲きます。私は一本杉から鳴倉の稜線に咲くヤマツツジが色鮮やかで特に好きですが、今日のヤマツツジも色鮮やかでした。

ヤマツツジ(山躑躅)

 

 

イワナシ(岩梨)

 イワナシはツツジ科の常緑小低木、分類では木と言うことです。先日まで可憐な花を付けていたイワナシはそろそろ実になり始めました。子供の頃この熟した実をよく食べました。

イワナシ(岩梨)

 

 

ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)

 路の崩れ落ちている場所ではウラジロヨウラクが色を付け始めました。さとやまでは定番の花ですが、子供の頃から親しんで来た花です。

ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)

 

 

オオバスノキ(大葉酢の木)

 ツツジ科スノキ属の落葉低木、里山の稜線歩きでアクシバやナツハゼなどと同じツツジ科の定番の木です。いずれも実を付けて、その実は食べられます。

オオバスノキ(大葉酢の木)

 

 

アズマシャクナゲ(東石楠花)

 ツツジ科ツツジ属常緑低木、この花も時期は殆ど終わりでしたが、それでも蕾の物もいくつか見られました。稜線に雪が残る時期にこの花が咲いているのを見つけると嬉しいのですが、花のきれいな時期は短くしおれてしまうと寂しいです。

 

アズマシャクナゲ(その1)

 

    

       

アズマシャクナゲ(その2・3)

 

オオイワカガミ(大岩鏡)

 オオイワカガミは高山植物と言うことだそうですが、低山帯のこの辺りの里山でも普通に見られます。若いうちは色鮮やかで、路傍で自分を強く主張しているきれいな花です。

 

オオイワカガミ

 

 

ムラサキヤシオツツジ(紫八染躑躅)

 ツツジ科の落葉低木、中部地方以北の山地、亜高山帯の奥深い所に生えて咲くことから、別名ミヤマツツジともよばれるそうです。ユキグニミツバツツジ同様に色鮮やかでよく目立ちます。当地干溝近郊では黒禿の頭から笠倉山への登山道でよく見られ、今日は白岩の先の干溝側の稜線でも見つけました。ちなみにここの座標は北緯37度11分15秒、東経139度00分28秒でした。

 

ムラサキヤシオ(その1)

 

      

ムラサキヤシオ(その2・3)

 

 

 暑い汗をかきながら歩く稜線にはタムシバやナナカマド、オオカメノキ、アズキナシなどの白い花が爽やかです。

タムシバ

 

オオカメノキ(大亀の木)

 

 

爽やかな5月の里山の稜線で元気な蝶達

 雪がずいぶん少なくなって、さまざまなチョウが元気に飛び回っています。しかし元気なチョウはなかなかカメラに収まってくれません、何とか粘ってカメラに収めた蝶を3種。

 

 

ヤマキマダラヒカゲ(山黄斑日陰)

 蝶の中ではあまり人を怖れないチョウで、山路で行き会って手を差し出していると手に止まって塩分を舐め、ミネラル補給をすることもある蝶です。

 今日は他の蝶達と追いかけっこの最中で、手には止まってくれませんでしたが、近くの木の葉に止まってポーズをとってくれました。

ヤマキマダラヒカゲ(山黄斑日陰)

 

 

コツバメ(小燕)

 今日は何度かお目にかかったものの、すぐに藪の中に飛び去ってようやくカメラに収まってくれたものが下の写真です。止まる時には太陽の光をいっぱいに受け止めようと太陽光線に直角に翅を向けて斜めになっているのを見かけます。

コツバメ(小燕)

 

 

ヒメアカタテハ(姫赤立羽蝶)

 それからギフチョウと一緒に飛び回っていたヒメアカタテハが地べたで羽をパタリパタリとしていました。かなり痛んでいることから成虫越冬したのでしょう。模様の鮮やかなきれいなチョウです。

翅表

 

翅裏

 

 

 今日も気ままに一日を里の山で過ごしました。蝶にも会えて、また爽やかな汗に充実を感じました。

 それから夕食にはシオデ(牛尾菜)や、キノメなどの山菜を頂きながら晩酌です。何と言う贅沢。こんな日々がもうしばらく続いてほしい。しみじみとそう感じた次第です。