2022年4月5(火)快晴
連黒禿の頭のコース、イワウチワの蕾や、蝶も飛んで
4月は5日になりました。山でも春が盛りの筈なのに、ここ魚沼の里山ではなぜかいつもの年より春の進み方が鈍いのではないかな。そんな風に感ずる今頃です。
扨て、今日の天気予報は快晴模様で気温も上がりそうです。山や溪流へと気が逸る所ですが、最近の体力低下に歯止めが掛かるようにと山を選択しました。
山を選択、となれば何所の山にしようかと思う所ですが、手っ取り早く地元の里山の大力山界隈と言うことにしました。黒禿の頭へのルートが気になる所ですので、様子見がてら出掛けることにします。
まずは大力山まで
朝、霧が残る集落の中を自宅から歩いて登山口に向かいます。宝泉寺口から秋葉様までの間ではまだ霧が晴れず、雲海模様の風景が見られるかと思いましたが、秋葉様を過ぎて水道山分岐に掛かる前には霧は晴れてしまいました。
秋葉様横から大力山
水道山分岐に掛かるころには霧も貼れて、正面に朝日が昇って、燦々と輝いています。
水道山分岐の少し手前の坂
5合目辺りはまだ雪の量は結構あります。今日も平日なのにいくつか足跡も見られました。
5合目から見上げる大力山
5合目を過ぎ、少し登りますと下の舟窪、そして上の舟窪と続きます。上の舟窪の右側にはまだ雪の壁が残ります。上の舟窪を過ぎると木製の階段です。この階段部分は既に雪が無くなっています。この階段を上り切った所が9合目、そこから東屋は歩数で300弱でしょうか。緩み過ぎていない雪の状態は歩き易いですね。
上の舟窪
あずま屋に着きました。あずま屋ではいつものように山ノートに記帳します。小屋には知り合いのご婦人がいましたのでいろいろと話が出来ました。
今日は久しぶりに空気が澄んで清々しい展望が広がっています。しかし、残念ながら八海山に雲が掛かっています。その雲が無くなるまで待とうかと思いましたが、風も少ないようでなかなか顔を見せないのであきらめて先に進むことにしました。
東屋付近から魚沼三山(越後三山)
南側の越後湯沢の先の谷川連峰や、苗場山方面の山並みがうっすらと見えます。
南魚沼市から湯沢町方面
あずま屋を出発し、大力山標高504m地点からあずま屋を振り返りますと小出郷からその先、長岡方面の山並みもよく見えます。残雪時期限定の風景です。
大力山あずま屋方面から小出郷、その先に長岡方面の山々
前回周回コースに向かった時はここからカンジキを装着しましたが、今日はツボ足で進みます。山越え沢方面と黒禿の頭方面分岐に来まして、黒禿の頭方面を見ますと、今日は私が最初で他の方の足跡は無いようです。
分岐から眺める黒禿の頭
この時期、仙能尾根からはやせ尾根で危険な場所も残るので、状況観察がてら行かれるところまで行こうと思います。
見晴らし台までは下ったり登ったりの繰り返しで、まずはいったん下り、そこから登ります。途中に大力山とほぼ同じ標高505.2mの三角点がある場所からさらに進み、大抱き沢と新三郎の沢の分岐の尾根に出ます。
谷中のブナ林の先に見える八海山は新緑の時期にとても良い風景になります。
この先のピークが見晴らし台、そこから左が新三郎尾根へと続きます。ここから見える尾根の雪庇は落ちていますが、その先のやせ尾根が気に掛かる所です。とりあえず見晴らし台に向かいます。
大抱き沢と新三郎尾根分岐から見晴らし台
ここから見晴らし台は見た目ほどきつい登りではありません。谷中のブナ林の中はイワウチワが沢山咲くのですが、まだまだ林の中は雪が沢山残っていてそれらが見られるのはもう少し先になりますね。
見晴らし台に着きました
見晴らし台直下に.着きました。ここを登ると見晴らし台です。ここから先の尾根は南魚沼市との国境の稜線となります。もう少し雪が残っているとクラックが待っている場所ですがもう雪は無くなって、早いイワウチワが蕾を付けていました。
見晴らし台の坂
見晴らし台の坂は雪が無ければ坂と言うほどではなくロープにつかまって一息に登ります。
見晴らし台のイワウチワ
見晴らし台からもう一歩きで新三郎尾根も白岩に出ます。そこには雪がまだ結構ありましたので、岩は少しだけしか見えていませんでした。その先少し行った辺りで腰を下ろして昼食です。
白岩付近から黒禿の頭を望む
この稜線は雪が無くなると実に快適な稜線となります。でも今日はその先に進むつもりではありませんでしたので、状態はよく把握しませんでした。
ここで周辺の風景を写真に収めました。まずは眼下の大力山から小出郷の風景です。手前のブナ林はもう間もなく緑の芽を吹きます。雪があっても時期になれば緑の葉を付けます。
眼下に大力山
そして、越後湯沢方面の風景です。
越後湯沢から谷川連峰や苗場山方面
東方面の会越国境付近の山脈も見え、権現堂山の向こうには守門岳が見えます。
上権現堂山からその奥に守門岳
それから桧岳から毛猛山も相変わらずいい顔をしています。その先左側には浅草岳も一部見えています。
桧岳から毛猛山、浅草岳も
八海山はいつも険しい姿です。今日はそのアップの写真も紹介しましょう。
仙能尾根稜線からの八海山
八海山八峰のズームアップ、右側の写真には千本桧小屋も見られます
暫く休息の後、今日の登りはここで終いにして下ることにします。
登って来た細い尾根を下ります。新三郎沢側ではまだ残雪が多く雪崩の起こり易そうな状態ですね。そしてその前方には妙高山、火打山や刈羽三山が見られます。
白岩から見晴らし台の稜線
白岩から見晴らし台の下りは完全には落ちていない雪庇の場所も見られます。前方の集落は芋赤、湯谷などの集落です。
右側新三郎沢側の雪はまだ雪崩の起きそうな状態
越後湯沢方面の上越国境の山々は写真ではあまりよく見えませんが、今日はかなりの山々が見えています。ところが残念ながら私には一つ一つの山を同定できません。
妙高山・火打山写真ではうまく写せませんが、上越新幹線浦佐駅の先にうっすらと見られます。
妙高山・火打山
帰路は城山トンネル方面へ周回して帰ります。
帰りは山越え分岐までおおむね下りですので快適に下りまして、大力山と山越え方面の分岐に到着です。ここから周回コースへの下りではマンサクの花を期待しての下りですが、マンサクは一向にきれいなものに出会えません。目当ての場所では全く花が少なくて、目を凝らしながら下ります。
そんなときに雪の上に蝶の影が映りました。ヒオドシチョウのようですが素早く飛んできて、また飛び去ります。蝶は割合に自分の居場所にこだわっていますので、また帰って来ると思ってしばらく待っていましたら、やはりやって来たのですが残念ながら写真にはなりませんでした。
其処から少し進んで場所で再び飛んできた蝶がありまして、立ち止まって目で追っていましたら少し離れた木の枝にとまりました。カメラを向けてピント合わせをしていると、カメラのピッと言う音に感づいたのか一度飛び去りましたが、また帰って同じ枝にとまりました。
今度はズームで何枚も写しました。今年の蝶の初撮りです。
ヒオドシチョウです
アカタテハなどと同じ成虫越冬するチョウです。マンサクの花に止まっているのを見たこともありますが、この時期に行き会うと実に嬉しくなります。横にはアカミノイヌツゲの赤い実が秋に落ちきれず残っていました。色彩の乏しい残雪の尾根には新鮮でした。
アカミノイヌツゲ
この後は葎沢の鉄塔管理道には向かいませんで、国道291号線城山トンネル小出口に下りる冬季限定コースを下ります。
一日のんびりと歩いたさとやま散策も間もなく終わりに近づきました。残雪の山をしっかりと堪能した一日、心地よい疲労が感じられます。
城山トンネル口方面
下山後は近くの温泉施設に行って汗を流し、すっかり「ジョンノビ」出来た快晴の里山歩きでした。