岸田総理が何度も「今国会中に実現する」と言い続けてきた政治資金規正法の自民党案がようやくまとまりました。

他党はとっくに案をまとめているのに、問題の発端を作った自民党が最後まで案をまとめず、せっかく政治改革特別委員会を設置したのに1ヶ月以上も時間を無駄にしてしまいました。

しかもこれだけ時間をかけながら、その内容は肝となる部分については踏み込まず、これだけ大きな問題を起こしたにも関わらず、反省の色が全く見られない内容です。

さらに今回の法改正の背景にあるべき理念も全く見えません。

例えば自民党案では政治資金パーティーの公開基準を20万円超から10万円に引き下げることとしていますが、これは金額の問題ではないはずです。

この点について、私たち国民民主党は5万円超にすることを提案していますが、これは政治資金パーティーが事実上、献金の代わりとして利用されているので献金の公開基準に合わせるという理念が背景にあります。

こうした理念が自民党案には何も見られないのです。

少なくとも30年前の平成の政治改革の時には自民党は「政治改革大綱」を作り、それまでの「派閥中心で政権交代のないカネのかかる政治」から「政策本位の政党中心で政権交代のあるカネのかからない政治」の実現をめざす、という理念がありました。

そうした理念が今回の自民党案にはかけらも見えません。

私は平成の政治改革でめざした理念は間違ってはいなかったと思います。

ただその理念を実現するための方法やその内容に問題があったり、不十分だったりしたために、再び「政治とカネ」の問題が起きたのです。

私は「今度こそ平成の政治改革でめざした理念を実現する」との強い決意を持って、これからの議論に臨んで参ります。